新型iPhone「iPhone XS/XS Max/XR」に買い換えるべき? 最上位モデルは20万円近い価格に

 Appleからついに、新型のiPhoneが発表された。「iPhone XS」、「iPhone XS Max」、「iPhone XR」の3機種だ。この機種すべてが顔認証によるFace IDへと切り替わり、Appleの伝統でもあった指紋センサーのTouch IDが事実上廃止されたことになる。

iPhone XR

 iPhone Xシリーズの見た目はどれも似たようなもので、初代「iPhone X」と同じく画面上部にノッチと呼ばれる切り欠けがあり、「XS」、「XS Max」、「XR」も例外なく切り欠けが搭載している。Android業界では指紋センサーをディスプレイ内に埋め込むタイプが流行りつつあるが、Appleはその波には乗るつもりはなくFace IDを引き続き搭載したことになる。

「iPhone XS」「iPhone XS Max」は従来のナンバリングの位置付け通りにいけば、「XS」はスタンダードなiPhone。「XS Max」は画面の大きな「Plus」に位置付けされるのだろう。iPhoneが3機種同時に発表されること自体、そうそう多くはないため、「XR」をどこに位置づけられるかは難しいが、「iPhone SE」的なポジションを狙っているのかもしれない。ゆえに、「XR」は廉価モデルとして取り扱われている。

HDR 対応映画の再生が可能に

 「iPhone XS」のディスプレイサイズは5.8インチ、「iPhone XS Max」は6.5インチでどちらも有機ELとHDR再生に対応した。1インチあたりのピクセル数は両モデルとも458ppiである。一方で廉価モデルの「XR」は6.1インチの液晶、HDRや3D Touchは利用できない。更にディスプレイの解像度も1,792×828ドット(326ppi)と4インチのiPhone SEや4.7インチのiPhone 8とピクセル数が変わらないという欠点が存在している。6.1インチサイズのスマートフォンがiPhone SEやiPhone 8と同等の解像度はどうなのだろうか、少々疑問に思うことがある。ディスプレイだけで本体の価値を決めることはできないが、「XR」の価格は84,800円~と値が張るのも頭を悩ます。

A12 Bionic

 CPUはA12 Bionicを「XS」、「XS Max」、「XR」すべてに搭載した。廉価モデルといえども「XR」にもA12 Bionicを搭載したという点は大きく評価できる。A12 Bionicは2+4コアCPU、4コアのGPUと8コアのニューラルエンジンを搭載し、iPhone XのA11 Bionicと比べてもパフォーマンスは最大で15%向上、グラフィック性能は最大50%向上、消費電力は最大50%削減されている。特にニューラルエンジンは1秒間に5兆回の演算処理が可能で、ARを含めた機械学習技術が大きく向上することは間違いない。事実、発表会でもニューラルエンジンを用いたデモが多数用意されており、アピールポイントとしていた。

ニューラルエンジンを活用した結果

 単純にゲームをしたいというユーザーは「XR」を選択肢に入れてみるのも良いかもしれないが、解像度がネックになることも。「XS」、「XS Max」は元々高解像度なため、ゲームのほかにも映像コンテンツの再生にも適している。

ニューラルエンジンとISPの活用

 カメラはA12 Bionicに搭載されているISPが大きな進化を果たしている。高度なアルゴリズムと高速なセンサー、ISPを組み合わせることでスマートHDR撮影を実現した。またニューラルエンジンを用いることで被写界深度をより細かく精確に捉えることで、ポートレート撮影後でも背景のボケ具合(深度)を調整できるように。

作例

 「XR」のカメラはシングルカメラだが、ポートレートモード撮影にも対応しておりニューラルエンジンの進化が如実に現れているといえる。「XS」、「XS Max」のカメラは1,200万画素のデュアルカメラで広角レンズと望遠レンズの2つに分けられる。広角レンズはF値1.8、望遠レンズはF値2.4だ。「XR」は1,200万画素のシングルカメラ、F値は1.8である。カメラ性能はシングルカメラかデュアルカメラの違いで、基本的な機能は「XR」でも利用可能だ。デュアルカメラが広角レンズと望遠レンズの2つあり、ズーム性能に至っては「XS」「XS Max」のほうが「XR」よりも2倍強化されている。iPhone XやiPhone 8 Plusなどのデュアルカメラを使っていたユーザーでズームも頻繁に利用していた場合は、「XS」、「XS Max」を視野に入れてみるといいだろう。

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