YouTubeが「Gear VR」対応アプリをリリース VTuberの躍進とともに広がる、“VRソーシャル体験”の可能性
VRソーシャルビジネスの可能性
YouTube VRにVRソーシャル機能が実装されたことからわかるように、VR空間を複数のユーザで共有するVRソーシャル体験は、今後のVR市場の成長にとって重要な役割を果たすと見られている。
VRソーシャル体験を活用したビジネスで、今後注目されるのがVTuberの活躍だ。アニメキャラクター風のアバターを活用したYouTuberであるVTuberは、VRテクノロジーとの親和性が高い。というのも、VTuberの「中のヒト」とアバターを同期させるために、しばしばVR機材が使われるからだ。さらに、VTuberがVR空間を使ったライブイベントを開催することもある。例えば、月ノ美兎は5月にVRイベントルーム「cluster.」を活用して2,500人が参加したVRライブイベントを行った。
「ユーザーローカル バーチャルYouTuberランキング」サイトを運営するユーザーローカルによれば、VTuberは7月10日時点で4,000人を突破し、VTuberたちのファンの合計人数はのべ1,270万人、動画再生数は合算で7億2千万回に達している、とのこと。そして、VTuber市場は今も成長を続けているのだ。
こうしたVTuberのコミュニティが本格的にVR空間を活用した場合、VRソーシャルビジネスは大きく成長することが予想される。もっとも、現在は通常動画を視聴するようにはVRコンテンツを視聴する環境が整っているとは言い難い。しかし、Oculus Goの登場に代表されるようにVRをめぐる環境は徐々に良くなってきている。VRが今より「当たり前」になるであろう近未来においては、VRソーシャル市場はVRゲーム市場に劣らないものとなっていても不思議ではないのだ。
トップ画像出典:YouTube Official Blog「More VR in more places」
■吉本幸記
テクノロジー系記事を執筆するフリーライター。VR/AR、AI関連の記事の執筆経験があるほか、テック系企業の動向を考察する記事も執筆している。
Twitter:@kohkiyoshi