Instagram、質問スタンプを追加 インフルエンサーとフォロワーのつながりがより強くなる?
先日ビデオチャットとARカメラエフェクトといった新機能をリリースしたInstagramに、また新たな機能が追加される。今回リリースされる新機能によって、インフルエンサーとフォロワーのつながりが強化されることが期待できる。
質問スタンプとは?
Instagramは、10日、新機能「質問スタンプ」を追加したことを公式情報センターより発表した。質問スタンプを使うには、既存のスタンプと同じようにInstagramのストーリーズ(投稿画像のこと)の好きなところに貼り付けるところから始める。そして、貼り付ける時にストーリーズを見たユーザに対する質問を入力するのだ。こうして投稿されたストーリーズを見たユーザは、質問スタンプをタップすると返答を入力することができる(トップ画像参照)。質問スタンプは、ストーリーズのなかに簡単に埋め込める一種のチャット機能と言えるかもしれない。
質問スタンプに入力した返答は、質問とともにストーリーズに表示されるようになる。複数のユーザから返答があった場合は返答したユーザがリスト表示され、ストーリーズ投稿者は返答リストのなかから表示する返答を選択することができる。また、返答に対してさらに回答を返すことも可能だ。なお、返答したユーザのプロフィールは表示されないので、誰の返答かはわからない仕組みとなっている。返答したユーザのプロフィールを確認できるのは、質問スタンプを貼り付けたストーリーズ投稿者のみである。
インタラクティブな交流が可能に
以上のような質問スタンプに関して、US版TechCrunchはInstagramを活用したインフルエンサーの影響力を強めるツールになるだろうと評している。というのも、このスタンプを使えばインフルエンサーとフォロワーがインタラクティブに交流できるようになり、よりフォロワーの興味をかき立てるようになるからだ。さらに、投稿者が表示する返答を選択できるという仕様が、質問スタンプを貼り付けたストーリーズが「荒れる」ことを回避するように働くことも指摘している。
またテック系ニュースメディア『Mashable Asia』は、質問スタンプをライブストリーミングのようなイベント中に並行して使えば、即席の「○○だけど質問ある?」のような交流が可能になるだろう、と評している。確かに質問スタンプを使えば、フォロワーからの返答を短時間で集めることができ、投稿者が選んだ返答だけ表示していれば、炎上することも少ないだろう。
ビジネスツールとしても使える?
テック系ニュースメディア『The Next Web』は、質問スタンプがビジネスツールと機能することを指摘している。例えば、ストーリーズに質問スタンプと位置情報スタンプを合わせて貼り付ければ、特定のロケーションに関するインタラクティブな広告として機能するだろう。新商品が写っているストーリーズに質問スタンプと指定したユーザ・プロフィール画面に誘導することができるメンション・スタンプを合わせて使えば、ユーザの反応を見ながらブランドの宣伝ができる。
もちろん、質問スタンプだけでも、何らかの話題やアイテムに関するユーザレビューを簡単に集められるというビジネス的価値がある。また、先日リリースされたばかりのInstagramの姉妹アプリとも言える縦長動画配信アプリIGTVと組み合わせて使えば、面白いマーケティングが展開できるかも知れない。
以上のように質問スタンプはその使い方次第で、マーケティングツールとしても機能するのだ。そうなると、質問スタンプを効果的に使えるようなインフルエンサーは、マーケティング上の価値がより一層上がることになるだろう。いずれにしても、質問スタンプが追加されたことで、Instagramのポテンシャルが高まったといっても間違いない。
トップ画像出典:Instagram 公式情報センター「ストーリーズに質問スタンプが登場」
■吉本幸記
テクノロジー系記事を執筆するフリーライター。VR/AR、AI関連の記事の執筆経験があるほか、テック系企業の動向を考察する記事も執筆している。
Twitter:@kohkiyoshi