30周年の今こそ『ロックマン』を始めてみよう 初心者にもオススメしたい、シリーズ入門ガイド
それが2016年、2017年に発売され、この度、ニンテンドースイッチ版も発売された『ロックマン クラシックスコレクション1、2』だ。この二作にはプレイヤーが自由にミスした後の復帰ポイントを作れる「セーブ&ロード(※1のみ)」、「ポイント単位の中断セーブ(※2のみ)」、「リワインド(※巻き戻し機能:ニンテンドースイッチ版のみ)」というオプションが搭載されている。
これらを活用すれば、高い難易度を緩和できる。反則技でもあり、シリーズを長年遊んでは攻略してきたプレイヤーにしてみれば「甘え」、「邪道」とまで言われかねない機能だが、そんなことは気にせずガンガン使った方がいい。このような機能を活用しても、ロックマンというゲームの持つ独特の面白さは損なわれない。筆者としても、初めてプレイした人にロックマンが「辛いゲーム」だと認知されてしまうのは悲しすぎる。まずは本作の諸機能を使って思うがまま遊んでみて欲しい。今の時代、このシリーズはそういう遊び方が許されている。まずは楽しむことを第一に使っていこう。昔からのプレイヤーが経験してきた使わないプレイはエンディングを迎えた後でいいし、しなくてもよい。
でも、筆者も昔からのプレイヤーの一人として、できればこれらを使わないプレイにも挑戦してみてほしい。一度、クリアした後ならばボスの弱点、ステージの特徴などが経験値として溜まっているので、初見時にはない「変化」を味わえるはずだ。
そしてご覧の通り、シリーズは全部で10作ある。派生作品、番外編なども含めると更に数は増えるが、今は割愛。まずは一番最初の『ロックマン』から始めるのがいいのかな、と思うかもしれないが、正直、入門編としてはお薦めできない。というのも、10作の中では群を抜いて難易度が高い。ある程度、慣れてからでないと火傷しかねないほどだ。
クラシックスコレクションの諸機能を活用しながらで行くなら、シリーズで最も人気の高い『ロックマン2 Dr.ワイリーの謎』が入門編としてお薦めだ。後のシリーズの基礎を知るには打ってつけ。ただ、機能を使わずにプレイした場合なら、初代『ロックマン』を多少落ち着かせた高難易度になる。入門編にするには厳しい加減なので、あまりお薦めはできない。
しかし、クラシックスコレクションには意外な救済策がある。それがオプションで『MEGAMAN』、海外版に切り替えること。実は海外版には難易度選択機能が搭載されているのだ。また、幸いにして本作は日本語テキストもごくわずかしか登場しないので、全編英語でも問題なく遊べる。もし、諸機能を使わず本作を最初のロックマンとするならば、この手を使ってみることを強くお薦めする。
他に入門編として最適なのは『ロックマン4 新たなる野望!!』、『ロックマン5 ブルースの罠!?』、『ロックマン6 史上最大の戦い!!』、そして『ロックマン10 宇宙からの脅威!!』の後期四作だろう。
4~6には「チャージショット」、「スライディング」と言ったアクションが追加され、できることが増えているのだが、初期作品よりも難易度は穏やかで、遊びやすい作りになっている(※念の為だが、難しくない訳ではない)。また、新作『ロックマン11 運命の歯車!!』にもそれらのアクションの続投が予告されている。その予習として遊ぶのも一興だ。
10ではそれらのアクションは取り除かれているが、こちらにも海外版の2同様に難易度選択機能が用意されている。1~9までのロックマンを遊んだプレイヤーに向けた演出が多く盛り込まれているため、最初の一作にするには際どくもあるのだが、後からその元を知るのも一つの選択肢。あえて新しい作品からさかのぼりたいのなら、こちらがお薦めだ。
残る作品は一通りシリーズに慣れた後に遊んでいくのがいいだろう。もちろん、この通りに遊んでいく必要はない。なんとなく面白そう、と思ったシリーズから始めて大丈夫だ。
ただ、もし「辛い」と思ったら、各種機能を活用しよう。繰り返しになるが、使うこと自体は決して恥ずかしいことではない。何よりも”楽しむこと”を第一にロックマンの世界に踏み込んでみてほしい。
今回、取り上げたのは『ロックマンクラシックスコレクション1、2』に収録されたナンバリングの10作となる。シリーズはこれだけに留まらず、ゲームボーイの『ロックマンワールド1~5』、ナンバリングシリーズに属する番外編『ロックマン&フォルテ』、まさかのサッカーゲーム『ロックマンズサッカー』、レースゲームの『ロックマン バトル&チェイス』といったユニークな作品がある。
先も触れたが、派生作品も多い。本ナンバリングシリーズをベースにシリアスな世界観と豊富な成長要素を加え、遊び応えを強化した『ロックマンX(エックス)』とそこから更に派生した『ロックマンゼロ』、3DのアクションRPGでジブリ作品のような世界観とキャラクターが特徴の『ロックマンDASH(ダッシュ)』、カードゲームとアクションゲームを組み合わせた戦闘システムとネットワーク社会を題材とりしたストーリーが光るロールプレイングゲームの『バトルネットワーク ロックマンエグゼ』とその派生作『流星のロックマン』、そして変身ヒーローとしてのロックマンを描いたシリーズ唯一の探索型アクション『ロックマンゼクス』。いずれも魅力的な作品揃いだ。
嬉しいことに、大半の作品はバーチャルコンソール、ゲームアーカイブスといった配信サービスで提供されている。シリーズ30周年は最初期のロックマン、その派生作で今年に25周年を迎える『ロックマンX』が主軸となって展開されていくが、興味を抱いたら先に紹介した派生作品の世界にもぜひ、足を踏み入れてほしい。中にはアクションゲームではない変化球な作品もあるが、そこにもシリーズ初期から続く「弱点を突く面白さ(気持ちよさ)」という最大の特徴は息づいている。
日本のみならず世界中から愛され、今なお高い人気を誇るロックマンシリーズ。30周年の今こそ、この熱すぎるゲームの世界に飛び込んでみてはいかがだろう。
■シェループ
新旧構わず、色んなゲームに手を伸ばしては積みゲーを増やし続ける人。コソコソとゲームライターとしても活動し始めた。2D、3Dのアクションと手強めの戦略シミュレーションが大好物。最近、『スプラトゥーン』のジャッジくんが気になって仕方がない。
Twitterアカウント(@shelloop)
◾️製品情報
ロックマン クラシックス コレクション
発売中
希望小売価格:ダウンロード版 2,769円+税
※ダウンロード専売タイトル。
プレイ人数:1人
ダウンロードに必要な容量:350MB
プラットフォーム:Nintendo Switch
CEROレーティング:A(全年齢対象)
(C)CAPCOM CO., LTD. 2015, 2018 ALL RIGHTS RESERVED.
ロックマン クラシックス コレクション 2
発売中
販売価格:ダウンロード版 2,769円+税
※ダウンロード専売タイトル。
プレイ人数:1人
ダウンロードに必要な容量:4GB
プラットフォーム:Nintendo Switch
CEROレーティング:A(全年齢対象)
(C)CAPCOM CO., LTD. 2017, 2018 ALL RIGHTS RESERVED.