エッジの効いた未来を探す場所~ SXSW 2018レポート
世界95カ国から約43万人が集まるSXSW
日本でも知名度が上がっているSXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)。米国テキサス オースティンで毎年3月に開催されており、10日間で音楽・フィルム・テクノロジー・ジャーナリズム・政治について最前線のディスカッションやライブが行われる複合型カンファレンス&ライブイベントだ。昨年は世界95カ国から約43万人が訪れている。私は2014年から連続参加しているが、この5年間にレディ・ガガ、オバマ大統領夫妻、マーク・ジェイコブスらセレブリティーがSXSWのステージに立っている。今年はアーノルド・シュワルツェネッガーやビル・ゲイツ夫人であるメリンダ・ゲイツと共に、米大統領選で健闘したバーニー・サンダース、サプライズゲストで『Ready Player One』ワールドプレミアとしてスティーブン・スピルバーグ、スペースX社で民間ロケット打ち上げ成功したばかりのイーロン・マスクなど錚々たるゲストがオースティンの地にやってきた。
右脳と左脳をマッサージ
政治家も映画監督もビジネスマンもアーティストも集うSXSWは、右脳も左脳もマッサージするのに最適な場所だ。ブロックチェーンのビジネスの事例を聞いたあとに、ライブで大はしゃぎする。難民問題について考えた後に、VR空間にどっぷり触れる。しかも来場者のスタンスとしてオープンにディスカッションすることを許容してくれる人が多いので、イーロン・マスクのセッションに並んでいる際に、隣に居る人とソーラーパネルについてディスカッションをして新たな知見を得るということも可能なのだ(補足:イーロン・マスクのセッションチケットを取るのに朝5時から3時間程並んだのだが、その間にオースティンのスマートビルディング関係者、ロサンゼルスのロケットビジネス従事者らと仲良くなり、新しい物質の話や透明のソーラーパネルについての知見が得られたのだ)。
“グローバルに繋がった。みんな一緒にここにいる”
そのような個人的な体験を体現するようなキーワードが「SXSWを表す今年の言葉」として発表された。SXSW 2018を表す言葉として今年選ばれたのが「Globally Connected: we’re in this together (グローバルに繋がった。みんな一緒にここにいる)」である。それはフィジカルな意味での、SXSW来場者間で繋がる、という意味だけではなく、スマホやIoT、5Gなどのデバイスやネットワーク技術の進化・普及により我々は世界中の人間と繋がれるし、また、マシーンと人間同士も繋がることが可能になったことを表しているだろう。