SAMURIZE from EXILE TRIBEの生みの親・藤本博士が語る、ウェアラブル × ダンスの可能性

SAMURIZE from EXILE TRIBEの生みの親・藤本博士が語る、ウェアラブル × ダンスの可能性

表現をするという意味では、人間がもっとも優れている

ーーSAMURIZEのほかに、藤本博士が研究しているものは?

藤本:私がCEOを務めるm plus plus Co., Ltd.では、舞台照明をウェアラブルデバイスにしたものも開発しています。「舞台上に固定されている照明が歩き出して、会場に散らばったらどうなるか?」というコンセプトで作ったものです。また、人間より大きくて速いロボットも開発しています。3メートルくらいのロボットに、1秒間に5回転するアームが付いているんですけれど、そのロボットと人間が一緒にダンスをしたらどうなるのかを研究しています。

 LED以外の研究でも、テクノロジーを使って人間のダンスを拡張するという発想は同じです。たとえばロボットの場合、これまではロボットの動きが遅いので人間がロボットに合わせて踊るしかなかったのですが、私が製作しているロボットはある一部分の機能については人間を凌駕していて、腕の動きだけであれば遥かに可動域もあり俊敏な動きができます。そうなると、人間的な発想を超えた振り付けが生まれる可能性もあります。実際、そのロボットを振り付け師の方に見せたら、「これまでの自分の振り付けの概念が壊れた。自分より大きくて速いから、どう振り付ければいいのかがわからない」と言っていました。その辺りは、まだまだ未知の領域で、探求のしがいがあるところです。

ーー人間を超えた動きができるロボットによって、人間によるダンスパフォーマンスが必要なくなる可能性はないのでしょうか?

藤本:少なくとも、私が生きている間にはそうはならないでしょうね。というのも、人間を機械として見た場合、これほど優秀なものはまだまだ生み出せないからです。これほど滑らかに動く手も作れないし、これほど解像度の高い皮膚もありません。たとえばLEDはどんなに小さくても今は1mmで、人間の解像度は次元が違います。もちろん、単機能であれば人間を超えたものは作れますが、総合的な表現力という意味では、圧倒的に人間が優れています。LEDでやっているのは、もともと人間に付いていない機能として、身体の色をカラフルに光らせることで、新たな可能性を追求することなんです。

 もし、人間より速く動けて、全身が20Kディスプレイを超えるような解像度の皮膚に包まれて、より滑らかで関節も多くて、身体もずっと大きいロボットパフォーマーが完成したら、それは人間よりも高い表現力を持っている可能性があり、人間によるダンスパフォーマンスも必要なくなるのかもしれません。しかし、身体表現におけるシンギュラリティが起こるのは、まだまだずっと先だと思います。それほどまでに人間の表現力というのは高く、だからこそ人間によるダンスに人間が感動するんです。そこをテクノロジーでさらに拡張することで、今までにない新たな感動が生まれる可能性があるということなんです。

(取材・文=松田広宣)

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