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英国人のノーザン・ソウル好きは有名である。そんななかから生まれてきたアヴェレイジ・ホワイト・バンドやスタイル・カウンシルは、まさにソウル好きを体現している代表的グループだ。90年代初頭のアシッド・ジャズ・ブームは、そんな土壌が育んだ極めて英国らしいムーヴメントだといえるだろう。
“オールウェイズ帽子男”ことジェイ・ケイ率いるジャミロクワイは、92年に<アシッド・ジャズ>からデビュー。70年代ソウル/ファンクに影響を受けた音楽性を自らのサウンドに投影、元ネタばればれでも突き進むサンプリング世代ならではの荒技は、当時を体験していない世代には新鮮なものに映った。実際、ジャミロクワイの創り出すサウンドからは黒人特有の黒っぽさは余り感じられない。それは、シックやクール&ザ・ギャングのように黒人だけに留まらず、白人にもアピールしたポップでダンサンブルなファンクの影響が色濃いからであろう。
アルバムをリリースする度に、ドラムンベースやテクノなどといった流行の先端に位置するサウンドを自らの音楽性に巧みに取り込み、ポップに料理していくジェイ・ケイは、サウンド・プロダクションのパイオニアというよりトレンド・セッター、いや、ヒット・メイカーとしての明快な魅力を打ち出している。しかし、歌詞には「自然との共生」というテーマを掲げながら、実生活ではフェラーリ乗りまわして排気ガスを撒き散らす——というのはどうかと思うんですけど……。

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