『豊臣兄弟!』の最終回はどうなる? 制作統括が明かす“最後までワクワクする物語”
秀長の病死は変えないが、“主人公のいない最終回”にはしない
――過去の歴史作品だと、天下を取った後の秀吉は、晩年に狂気や孤独感を深めていく様子が描かれることが多かったと思います。今作ではそのあたりをどう描き、秀長はどう向き合っていくのでしょうか?
松川:単純に狂気や孤独に囚われ、暴君となって暴走し周りが犠牲になる……といった構図にはしていません。やはり根っこは変わらないけれど、ポジションや立場が変わったことで、さまざまなプレッシャーもあって少し道に迷ってしまう。そういった部分での兄弟のちょっとしたズレは描かれていきます。
――今まで仲が良かった豊臣ファミリーが、不穏な感じになっていくのですね。
松川:そうですね。でも、家族のことで言うと、みんなで豊臣家を支えていこうという主体的な思いがあるんです。あさひ(倉沢杏菜)が家康に嫁ぐこともただの犠牲としては描かないので、決して暗すぎる展開にはならないと思います。
――第34回は「最強のライバル」として、家康の過去が軸になるそうですが、直近の大河ドラマ『どうする家康』(NHK総合)と比較して観られる方も多いと思います。今作ならではの家康像のポイントを教えてください。
松川:『どうする家康』の松本潤さんの家康は“か弱きプリンス”でしたけど、松下洸平さんの家康は、少し癖があって一筋縄ではいきません。もっと抑圧されて、もっとひどい目に遭って、それでもずっと我慢をしてきた人。だからこそ「ひねくれた」わけです。そういったキャラクター性が一番の違いかと思います。第34回は家康が主軸の異色な回で、なぜ彼が秀吉との大決戦(小牧・長久手の戦い)に挑むのか、過去の人質時代からの苦難の日々を思い返す回です。彼がこれまで諦めの人生の中でずっと我慢してきたからこそ、いよいよ立ち上がるというところに大変納得のいく回になっていると思います。
――終盤戦に向けて、子どもたちが予習しておくと楽しめるトピックなどはありますか?
松川:むしろ事前知識なく楽しんでいただきたいので、あえて勉強はしないでいただきたいです。勉強だと思ってしまうと、興味が薄れてしまうかもしれないので。毎週素直に楽しんで観ていただき、知りたくなったら後で調べてほしいですね。合戦などのダイナミックな見せ場は減っていきますが、人間同士のドラマを濃厚に描いており、間違いなく面白いものになっていますので、そこを楽しんでほしいです。
――史実では、秀長は病で亡くなることになっていますが、最終回に向けた展望をお聞かせください。
松川:秀長が病死するという史実は変わりません。ただ、主人公(秀長)がまったくいない最終回はあり得ないので、そこをどう描くか……。でも、茶々(井上和)や家康、利家(大東駿介)など、生み出したキャラクターたちにはフェードアウトではなく、最後にしっかり見せ場を作って送り出していっています。天下を取った後の物語も含め、私が企画当初に思い描いていた以上に面白いものになっています。八津さんの脚本によって、最後までワクワクする終わり方になるはずですので、ご期待ください。
■放送情報
大河ドラマ『豊臣兄弟!』
NHK総合にて、毎週日曜20:00〜放送/毎週土曜13:05〜再放送
NHK BSにて、毎週日曜18:00〜放送
NHK BSP4Kにて、毎週日曜12:15〜放送/毎週日曜18:00〜再放送
出演:仲野太賀、池松壮亮、吉岡里帆、浜辺美波、白石聖、坂井真紀、宮澤エマ、倉沢杏菜
大東駿介、松下洸平、中島歩、要潤、山口馬木也、宮﨑あおい、小栗旬ほか
語り:安藤サクラ
脚本:八津弘幸
制作統括:松川博敬、堀内裕介
演出:渡邊良雄、渡辺哲也、田中正
音楽:木村秀彬
時代考証:黒田基樹、柴裕之
プロデューサー:高橋優香子、舟橋哲男、吉岡和彦(展開・プロモーション)、国友茜(広報)
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.web.nhk/tv/pl/series-tep-P52L88MYXY
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