『豊臣兄弟!』の最終回はどうなる? 制作統括が明かす“最後までワクワクする物語”
仲野太賀が主演を務める大河ドラマ『豊臣兄弟!』(NHK総合)。天下人へと駆け上がる兄・豊臣秀吉(池松壮亮)と、彼を支える弟・秀長(仲野太賀)の物語が終盤戦に向けて加速している。
本能寺の変から中国大返しを経て、兄弟はいかにして天下取りへと邁進していくのか。制作統括の松川博敬に、これまでの反響や史実のアレンジ、最終回に向けた展望などをたっぷりと語ってもらった。
「視聴者の『待ってました!』には応えたい」
――前半を振り返り、現在の視聴者からの反響や手応えはいかがですか?
松川博敬(以下、松川):やはり第27回の本能寺の変以降、さらに視聴者の熱量が上がっているのをすごく感じています。我々も自信を持って出した本能寺の変から、中国大返し辺りはすごく出来がいいと思っているので、それが視聴者の方にも伝わっているなと。今回は、これまで大河ドラマに触れてこなかった小学生などの層を取り込みたいという狙いがありました。役者さんたちからも「子どもが一生懸命観てくれている」と聞いて勇気づけられています。大河ドラマのロイヤルカスタマーである60代・70代の方からも、「孫が観ているから娘が一緒に観始めた」とお手紙をいただいたりして、世代を超えて楽しんでもらえているのがとても嬉しいです。
――本能寺の変では「敵は本能寺にあり」というお馴染みのセリフをぜひ入れてほしいと、脚本家の八津さんに要望されたそうですね。
松川:視聴者の皆さんが期待しているところは外したくない、というのが大きな理由です。明智光秀役を演じるなら、やはり言いたいセリフだと思うんですよね。演じる要潤さんもおっしゃっていましたが、やはり言わせたいなと。「待ってました!」という視聴者の期待に十分に応えられたと思います。少し変化球も投げるのですが、ストレートに見たいところはストレートに見せる、というのが基本方針です。
――光秀の最期について、秀吉が「落ち武者狩りに遭ったことにせい」と指示を出しました。『麒麟がくる』(NHK総合)のように「実は生きているのでは?」と期待する声もありましたが、あの描き方の意図についてはいかがでしょうか?
松川:あそこで亡くなったのは史実通りですし、「生きているのでは」という声があるとは思わなかったのですが、面白いですね(笑)。近い過去の大河ドラマが先入観を作っているのだなと。あのとき、秀吉が「落ち武者狩りに遭ったことにせい」と言ったのは、非公式な対談だったので信孝に知られたらまずい事実を隠すためのエクスキューズです。おそらく光秀は中で自害したと思うのですが、あそこで「落ち武者狩りに遭って死んだ」という通説に戻したということです。
――先日、千利休役に吉岡秀隆さんが発表され話題になりました。大河初出演となる吉岡さんをキャスティングした理由を教えてください。
松川:千利休はとても有名な人物で一般的なイメージがある分、我々も本作ではどういうポジショニングにするか見極めないとなかなか動き出せなくて、キャスティングが遅くなりました。吉岡さんご本人も「こんな時期にまだ決まってなかったんですか?」とおっしゃるほどでした(笑)。第33回の脚本が出来てきて、お茶に対して「好きやないねん」と言うような、それでいてすごく本質的なヒントを与える柔軟な人なんだとわかり、チームみんなで検討し、(仲野太賀さんも意見を言ってくれたりして)オファーに至りました。
――なぜ吉岡さんだったのでしょうか?
松川:直感的に面白そうだったから、ですね。本作のキャスティングで一貫しているのが、当たり前のキャスティングをしないこと。少し意外なところを狙って生まれる化学反応を楽しみたいと思ったんです。過去の作品ですと仲代達矢さんなど、もっと年齢を重ねた方が演じているイメージが強かったので。吉岡さんに関しては意外なところを狙ったのが大きいですが、結果的に非常に納得のいくキャスティングになりました。この時代においてとても軽やかで、立場を超えて臆することなく意見が言えるキャラクターになっています。
――豊臣秀次役には山田涼介さんが発表されました。
松川:実は第40回台のキーパーソンが秀次なんです。秀次は「プリンスらしいけれど、少し危なっかしい」、そのイメージに山田さんがぴったりだというのがキャスティングの理由です。秀次は秀吉の後継者になると自覚していてプライドも高いんですが、やがて豊臣ファミリーの中で少しずつ歯車が狂っていく。山田さんの持つプリンスらいし気高さと、鋭さや危うさがマッチして、大変面白い役柄になっています。