上坂樹里、『風、薫る』“直美”として生きた1年を振り返る 「この役から大きな宝物を得た」

激動の時代を舞台に、主人公・一ノ瀬りん(見上愛)と大家直美(上坂樹里)が看護の道を切り拓いていくNHK連続テレビ小説『風、薫る』。
第21週以降では、小川吾郎(甲斐翔真)との結婚、そして妊娠という、一人の女性としての大きなライフステージの変化を迎えた直美。相手役となる甲斐翔真との微笑ましい裏話、バディである見上愛との深い絆などについて、直美を演じる上坂樹里にたっぷりと語ってもらった。
「吾郎さん(甲斐翔真)の前では“素”で笑えた」

――『風、薫る』の物語もいよいよ終盤に差し掛かり、直美の人生にとっても結婚と妊娠という大きな転機を迎えます。初めて妊婦役を演じてみていかがでしたか?
上坂樹里(以下、上坂):私自身、実年齢より上の役をやったことがなく、第1週の時点では同世代だったのが、週を重ねるにつれて直美の方がどんどん年上になっていくんです。妊娠についても未知の世界で、「私が母になるのか」「ちゃんとお母さんとして映像に映るのか」と、最初は不安が大きかったです。
――小道具を装着してのお芝居はいかがでしたか?
上坂:実際にお腹に装具を入れてみると、本当に足元が見えなかったり、今まで不自由なくできていた動作ができなくなったり、普通に歩くのも難しかったりして。普段使わない神経も使い、言葉以外で表現する部分が多かったですね。でも、自然と手がお腹に行くようになったり、話しているときに視線がちょっとお腹にいったり。不思議と自分の中で「母になる感覚」が芽生えてきて、初めての体験に自分でもビックリしました。
――結婚式のシーンでは、恩師である吉江(原田泰造)の登場も話題になりました。
上坂:同窓会みたいな雰囲気の撮影で、とにかくその日は楽しかったです。当初、原田さんも「行きたかったな」と言ってくださって。そのあと、「結婚式、行けるようになったよ!」と。私も吉江先生には絶対に来てほしかったので、すごくうれしかったです。
――原田泰造さんとは、以前特集ドラマ『生理のおじさんとその娘』(NHK総合)でも共演されていましたよね。
上坂:そうなんです。原田さんとはそのときに親子の役をやらせていただいていたので、安心感がありました。撮影の時間が空いて久しぶりにお会いするたびに、「ちゃんとご飯食べてる?」「何時間寝てるの?」と気にかけてくださって、その温かさにすごく救われました。

――結婚相手となる吾郎とのシーンは、直美の柔らかい表情が印象的です。演じ分けなどで意識されていることはありますか?
上坂:直美としては「吾郎さんの前ではつい笑ってしまう」ということを大事にしています。でも、実際のお芝居をしていると自然と柔らかい表情が出るようになりました。後で監督から、「たくさんのシーンがある中で、吾郎さんとのシーンは直美が『素』で笑っていたよ」と聞いて。私自身は意識していなかったので、吾郎さんの存在の大きさを感じました。
――現場での甲斐翔真さんの印象はいかがですか?
上坂:蒸しまんじゅうを食べるシーンのリハーサルのときに、甲斐さんがご自分で蒸しパンを買ってこられたんです。リハから全力で蒸しパンをいっぱい食べて、食べすぎてもう何を言ってるか分からなくなっていて(笑)。それを見て私も笑いをこらえられなくなってしまいました。そんなふうにとにかく役にまっすぐな熱がある姿が、吾郎さんとすごく重なって。甲斐さんご本人の人柄が反映されているからこそ、この役は甲斐さんにしか出せない魅力がたくさん詰まっているんだなと思います。




















