『映画ちいかわ』はハチワレのバッドエンドを示唆? 美しくも不穏な“友達”描写

『映画ちいかわ』ハチワレのバッドエンド伏線

 そもそもハチワレは、誰よりも友達思いな性格。しかしそれゆえに友達を守るための“力”を強く欲している。上位ランカーのラッコに憧れを抱き、修行に打ち込んできたのもそれが理由だ。

ちいかわ 公式Xより

ちいかわ公式Xより

 その一方、でかつよ化とはちいかわ族が力を求めるあまり、力に溺れてしまった末路とも解釈できる。だとすると、ハチワレはメインキャラクター3人のなかでももっともでかつよ化する可能性が高いと言えるだろう。

 そうした前提を踏まえた上で、あらためて『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』を振り返ると、不穏な未来が示唆されているようにも見えてくる。たとえば同エピソードにおいてヒトハが罪を犯したのは、友達のフタバを守りたいという想いが暴走した結果だ。もしハチワレが友達を助けるためにでかつよ化すれば、同じような悲劇が起きてしまうのかもしれない。

 さらにフタバは永遠の命を手に入れたことを悟った際、孤独に生きることを恐れ、ヒトハを道連れにする。その姿も、ちいかわに永遠の友情を求めるハチワレにどこか重なってはいないだろうか。

 他方で、同エピソードにおけるちいかわの成長にも注目しておきたい。セイレーンを撃退した後、ちいかわは島民たちとキャンプファイヤーをしながら、事件の顛末に想いを馳せる。そしてヒトハとフタバのもとに向かい、その罪について尋ねるような素振りを見せるのだが、逡巡した末に何も言わずに立ち去ることを選ぶ。

 この時のちいかわの心情は想像するしかないが、「ヒトハとフタバと同じ状況になったら、自分も同じことをするかもしれない」と感じて罪を問いただすことをやめた……という風に解釈できるシーンだ。

 あくまで推測に過ぎないが、一連の描写は将来ハチワレがでかつよ化した際、ちいかわがどんな反応を示すのかということにつながってくるのかもしれない。

 ファンシーな絵柄でありながら、過酷で残酷な世界観に生きているちいかわたち。はたしてその世界で永遠の友情を実現することはできるのだろうか。アニメと本編の今後の展開から目が離せない。

■公開情報
『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』
全国公開中
キャスト:青木遥(ちいかわ)、田中誠人(ハチワレ)、小澤亜李(うさぎ)、井口裕香(モモンガ)、内田雄馬(ラッコ)、淺井孝行(くりまんじゅう)、島袋美由利(シーサー)、春海百乃(古本屋)、最上嗣生(島二郎)、鈴木みのり(セイレーン)
原作・脚本:ナガノ
監督:及川啓
キャラクターデザイン:辻智子
コンセプトアート:橋本真樹
プロップデザイン:高妻匠
色彩設計:長井彩香
美術監督:眞﨑萌
CG監督:中野祥典
撮影監督:岡﨑正春
編集:高橋歩
音響監督:土屋雅紀 
音響効果:倉橋裕宗(オトナリウム)
音楽:トクマルシューゴ/上水樽力
アニメーションプロデューサー:溝口侃
アニメーション制作:サイピク
製作:川上洋一、古澤佳寛
エグゼグティブプロデューサー:松崎容子
プロデュース:今福太郎
プロデューサー:小峯雅隆、障子直登
宣伝プロデューサー:林原祥一、斎藤愛子、狩野裕明
製作幹事:QTORY inc.
配給:東宝
©ナガノ / 2026「映画ちいかわ」製作委員会
公式サイト:https://chiikawa.toho-movie.jp/
公式X(旧Twitter):https://x.com/chiikawa_movie
公式Instagram:https://www.instagram.com/chiikawa_movie
公式TikTok:https://www.tiktok.com/@chiikawa_movie

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