中村悠一は声優界屈指の“名バイプレイヤー” 『黄泉のツガイ』『日本三國』で際立つ助演力

中村悠一と聞いてまず思い浮かぶのは、圧倒的な強さや華を備えた人物ではないだろうか。『呪術廻戦』の五条悟や『魔法科高校の劣等生』の司波達也、直近だと『ONE PIECE』「エルバフ編」のロキなど、作品の顔となる役柄は多い。
しかし、彼の魅力はそうした作品の顔となるキャラクターだけでは語り切れない。むしろ彼は、主人公ではなくとも主役を食うほどの存在感を放ちながら、決して物語のバランスを崩さない稀有な声優でもある。「助演」という立場で物語に奥行きを与え、空気を一変する力をもっているのだ。今回は、中村の「助演力」について、現在放送中の『黄泉のツガイ』と『日本三國』の役柄を中心に分析したい。
『黄泉のツガイ』で中村が演じる“デラ”こと田寺リュウは、飄々として親しみやすい行商人でありながら、主人公・ユルを山奥の閉ざされた村から外の世界へ導く人物である。
デラは気さくな兄貴分のような立場ながら、対立関係にある影森家との交渉もこなす。彼の存在により、視聴者はユルと同じ目線で「一体何が真実なのか」「どんな秘密があるのか」と考えながら、物語に没頭できる。戦闘には直接関与しないものの、作品の謎や緊張感を支える物語の橋渡し役として極めて重要なキャラクターだ。
また、『日本三國』で演じている賀来泰明は、大和の辺境将軍・龍門光英の配下で軍師を務めているキャラクター。「絶対に失敗しない」と評価されている策略家で、知略によって乱世を生きる主人公・三角青輝の可能性を示す先達の軍師でもある。
青輝は豊富な知識と弁舌で乱世をのし上がるキャラクターだ。すでに軍師として完成度の高い賀来がいることで、青輝がどのように活躍し、何を学び、どこまで成長するのかが見えやすくなる。
デラと賀来泰明。どちらも派手さで前に出るタイプではないが、物語及び主人公の成長・活躍において重要な役割を担っているのだ。





















