『風、薫る』上坂樹里の芝居の変化が“observe”の象徴に “天女”バーンズも怒声で初登場

『風、薫る』observeで団結の第25話

 NHK連続テレビ小説『風、薫る』第5週「集いし者たち」にて、看護の担当教師・バーンズ(エマ・ハワード)が到着するまでの翻訳の課題発表で、りん(見上愛)や直美(上坂樹里)、多江(生田絵梨花)たち7人が見つけた「看護婦とは何か」の答えを臨時教師の松井(玄理)に伝える。

 看護婦にとって最も基本となるのは、病人がいちいち言葉にせずともその顔つきや、ちょっとした態度の変化から気分や体調を察する力を持つこと。これこそが「observe」=「観察する」ということだと。

 校長の梶原(伊勢志摩)の狙いは、その翻訳の答えもそうだが7人が課題を通して協力し、仲を深めることだったのではないかと思う。対立していた直美と多江の2班が途中から助け合うようにして一つになり翻訳の答えを導き出していく、そのきっかけにあったのはりんと直美が互いに本音を言いあい、心が打ち解けたことにある。

 りんが気にしていた、直美が首から下げていたお守り。“観察”されていたことを知り、直美は祈っても何一つ欲しいものが手に入らなかった中で、お守りだけは唯一親からもらったものだったことを伝える。「直美」という名前すらも、牧師に適当に付けられたもの。 短くなった髪と一緒に自分のことを断ち切り、みなしごだと最初から打ち明けて、養成所でうまくやっていくつもりが、女郎の娘だとは言えなかった。

 苦労を自慢に使う、不幸ぶった不細工。りんの言葉が直美にとっては図星だった。そんな直美に、りんは「言わなくていいです。言いたくないことは。全部正直に言うことが正しいとは思いません」と言い、肩をくっつけ隣に座る。しんしんと雪が降り続ける中、りんが直美の心を包み込んでいく。

 トメの青森の実家から送られてきたりんごをかじり、直美は捨松(多部未華子)から教えられた「observe」の意味をほかの生徒たちにも共有していく。驚くのはあれほどまでに意地を張っていた直美が柔順な態度を見せることだ。話を切り出した緊張した面持ちの直美に、優しい笑みを浮かべ見つめるりん。そのアイコンタクトを受け、直美は「observe」の意味を続けていく。

 直美がりんに自身の生い立ちを話した際も、女郎の娘だと打ち明ける部分で直美は「ふぅ〜」と息を整えている。この芝居の変化、りんや多江たちもこの直美の態度の変化に“observe”して、第1期生7人が一丸となっていった印象だ。発表会が終わり、残ったりんごでアップルパイを作ることを提案した直美に、喜代(菊池亜希子)をはじめとしたメンバーが頭を下げて直美の料理下手を伝えるシーンは、直美だけでなくほかのクラスメイトも徐々に打ち解けてきていることを伝えている。

 一人食堂で手紙を読んでいる多江がその手紙を握りつぶすシーンが気になるものの、ラストには満を持してバーンズが登場。養成所に到着するや否や、「Compose yourselves at once.(静粛に)」という怒気の声が、りんたちを凍りつかせる。真風(研ナオコ)が直美に告げていた「天女の吹かせる風に吹き飛ばされないよう、みんなで力を合わせて頑張るんだよ」の“天女”とはバーンズのことだった。

■放送情報
2026年度前期 NHK連続テレビ小説『風、薫る』
NHK総合にて、毎週月曜から金曜8:00~8:15放送/毎週月曜~金曜12:45~13:00再放送
NHK BSプレミアムにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜8:15~9:30再放送
NHK BS4Kにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜10:15~11:30再放送
出演:見上愛、上坂樹里
脚本:吉澤智子
原案:田中ひかる『明治のナイチンゲール 大関和物語』
制作統括:松園武大
プロデューサー:川口俊介
演出:佐々木善春、橋本万葉ほか
写真提供=NHK

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