『タツキ先生は甘すぎる!』は子どもたちに本気で寄り添う ドラマを彩る町田啓太の安心感

町田啓太といえば、Netflixシリーズ『九条の大罪』の半グレ・壬生役でも注目を浴びる存在。同作では静かな威圧感を放っていたが、同じ金髪でもこんなにガラッと表情を変えられるのかと驚かされる。冒頭で「柔らかい春の日差しのようなドラマ」と書いたが、それは町田が出している空気感に依るところが大きい。「この人は絶対に私を傷つけない」と思わせる、フワフワのわたあめに包まれているような安心感。その低音で心地よい声や穏やかな口調も、タツキというキャラクターに優しい色を添えている。

タツキは焦って答えを出そうとしない。無理に何かを聞き出そうとするでもなく、ただ隣に座って、ゲームやお絵描きをする子どもたちの姿から本当の気持ちを読み解こうとする。そんなタツキに、タイトル通り「甘すぎる!」とヤキモキするのが、しずくだ。タツキとは対照的に、前のめりに不登校問題を解決しようとする姿は少し危うい。ともすれば、反感を買いそうなキャラクターだが、忘れてはならないのは彼女もまた不登校を経験していること。子どもたちを早く学校に行けるように計らうのは、元中学教師で親の気持ちを知っているのもあるが、それよりも自分自身が過去を後悔しているからだろう。「行きたくても行けない。だけど、このまま家にいたら、ずっと行けなくなる気がする。だから、なんとか行こうとして頑張るんです」とタツキに語る声は小刻みに震えていた。学校に行けなかったという、今もまだ残るしずくの傷が、「学校は無理していかなくていい」と断言するタツキとの出会いによって癒されていくことを願いたい。

面接のときに「不登校の子の気持ちがめちゃくちゃわかると思います!」とアピールしていたしずく。でも、不登校の子どもを一括りにすることはできない。しずくが描いた鳥の絵からタツキが読み解いた本音。彼女が苦しんでいたのは学校に行けないこと自体ではなく、「学校に行きたくない」という気持ちを母親に言えないことだった。親は子どもが不登校になったら悩む。子どもはそんな親を見て、無理をしてでも学校に行こうとする。タツキは「大切なのは将来より今」と言った。将来のために頑張った結果、すでにひび割れかけた心が壊れてしまっては誰も幸せにならない。そのことを誰よりも知っているのが、タツキなのではないだろうか。目の前の子どもの心を全力で守ろうとする、甘すぎるタツキの背景が気になるところだ。
参照
※1. https://www.mext.go.jp/content/20260305-mxt_jidou02-100002753_3.pdf
※2. https://x.com/shikouishii/status/2041338328046559292?s=20
■放送情報
『タツキ先生は甘すぎる!』
日本テレビ系にて、毎週土曜21:00〜放送
出演:町田啓太、松本穂香、藤本美貴、寺田心、三遊亭好楽、比嘉愛未、江口洋介
脚本:徳尾浩司
音楽:得田真裕
演出:鈴木勇馬
フリースクール監修:石井しこう
アートセラピー監修:浜端望美
企画協力:前田志門
プロデューサー:岩崎秀紀、秋元孝之、大護彰子
チーフプロデューサー:荻野哲弘
制作協力:オフィスクレッシェンド
製作著作:日本テレビ
©日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/tatsuki/






















