トミーバストウの“老けメイク”は3時間! 『ばけばけ』が覆した朝ドラの“お約束”

 『ばけばけ』が覆した朝ドラの“お約束”

 髙石あかりがヒロインを務めるNHK連続テレビ小説『ばけばけ』が現在放送中。松江の没落士族の娘・小泉セツとラフカディオ・ハーン(小泉八雲)をモデルに、西洋化で急速に時代が移り変わっていく明治日本の中で埋もれていった人々を描く。「怪談」を愛し、外国人の夫と共に、何気ない日常の日々を歩んでいく夫婦の物語。

 第24週では、錦織の死から10年の時が経ち、舞台は東京へ。ヘブン(トミー・バストウ)は53歳になり、人としても、作家としても、衰えが顕著になっていた。

 “老けメイク”を担当するのは、『ゴーストバスターズ』『キャプテンEO』といった海外作品にはじまり、近年では『碁盤斬り』『地面師たち』なども手掛ける、特殊メイクの第一人者・江川悦子。着物姿のヘブンには、手は肘から指先まで、顔は首筋から頭髪の生え際まで、細やかなメイクが施されている。

 制作統括の橋爪國臣は「いわゆる特殊メイク用のシリコンで、皮膚をすべて覆っているような形です。枯れた皮膚やシワをすべて作っていますが、まったく違和感がないんですよね。現場で特殊メイクをした後のトミーさんを見たんですが、15cmくらいの距離からじっと顔を見つめても、これは特殊メイクってわからないねと。今まで見た中で、一番レベルが高い特殊メイクでした」と、その技術に感嘆する。

「僕は『青天を衝け』(2021年)でも江川さんに吉沢(亮)さんたちのメイクをお願いしましたが、あの時とは素材も変わっているらしく、進化しているんですよね。その時もリアルだなと思いましたが、今はレベルが全然違っていて。本当にわからない感じでした」

 一方で、「トミーさんは大変だったと思います」と橋爪。というのも、バストウは普段の2倍以上の時間をかけてメイクを行っており、その作業は3時間にも及んだという。

「9時から撮影開始だとしたら、6時からメイクしていますからね。誰よりも早くスタジオに入らなければいけないし、ずっとシリコンを付けた状態でいなければいけない。もちろん芝居ができるような柔らかな素材ではありますけど、ずっと顔にものが付いているって嫌じゃないですか。夕方になると汗や脂で剥がれやすくなってくるので、そのたびに修正がかかることになる。きっとトミーさんは、人生で初めてあれだけの特殊メイクをしたと思うので、相当大変だったはずです。でも、そのおかげでまったく違和感のない、ちゃんと歳を取ったヘブンとして見せることができました」

 さらに橋爪は、劇中のヘブンが50代であることについても言及し、「年齢より老けて見えるかもしれませんが、当時のラフカディオ・ハーンの写真を見ると、あのくらい老けているんです。今の感覚ではなく、実際のハーンと同程度の老け具合にしたいという思いがあって、今回は特殊メイクにしました」と説明した。

関連記事

リアルサウンド厳選記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる