『リブート』伊藤英明に抱く“違和感の正体” 合六と同じセリフが暗示する真北の二面性

『リブート』伊藤英明に抱く違和感の正体

 「圧倒的なヒーロー」と「底知れぬ狂気」。その両極を体現してきた伊藤自身のキャリアが、真北というキャラクターが放つ「得体の知れない二面性」にそのまま重なっている。視聴者は真北の笑顔を見るたび、それが慈愛の笑みなのか、あるいは破滅への誘いなのかを判断できない。

 公務に見えていたその行動が、明確な“異質さ”を帯び始めたのが第4話だ。儀堂に対し、真北が放った「今のうちに美味しいものでも食べておいてください」という一言。一見すれば、逮捕目前の相手への皮肉とも取れるが、視聴者はここで戦慄することになる。このセリフは、マネーロンダリング組織を率いる合六亘(北村有起哉)が、裏切り者へ制裁を下す直前に放つ言葉と同じものだったからだ。

 これを踏まえると、儀堂が放った「俺以外にも警察内部に合六の犬がいる」という言葉が、一気に真実味を帯びてくる。本来、交わるはずのない二人の言葉が重なった事実は、真北が合六ら裏組織と何らかの接点を持っていることを予感させる。

 視聴者が真北の正体に疑念を抱く理由は、言葉の一致だけではない。真北が自ら口にした「妻のひき逃げ事故」という過去だ。この「事故」というキーワードは、早瀬陸(鈴木亮平/松山ケンイチ)の妻・早瀬夏海(山口紗弥加)が、高校時代に母を亡くした事故とも奇妙にリンクする。バラバラに見えた点と点は、一つの「事故」を介して、真北の執念の源流へと繋がり始めている。

 一方で、真北の言動の裏にある「孤高の正義」の可能性にも触れておきたい。根拠となるのは、真北の背後に浮かび上がる、政界という巨大な影の存在だ。合六が議員会館で足を踏み入れた「真北弥一」なる人物の部屋。この「真北」という姓の一致は、政界と真北正親の関連を示唆している。もし、真北が、政界に食い込む合六の背後の闇(それは家族の不祥事に繋がるかもしれないが)を暴くために行動しているのだとしたら。その場合、これまでの言動は、巨大な獲物を仕留めるための捜査として意味を帯びてくる。

 第5話で描かれた真北による儀堂逮捕。それは、正義の執行か、あるいは裏社会への加担か。もしくは、儀堂をあえて「容疑者」として管理下に置き、巨悪の手から遠ざける彼なりの「保護」という線も捨てきれない。真北の行動は、単なる不正暴きの枠を超え、物語の前提そのものを覆す展開を見せる可能性を秘めている。不敵に笑う真北の真意が明かされるとき、『リブート』は真の姿を現すことになるだろう。

『リブート』の画像

日曜劇場『リブート』

妻殺しの濡れ衣で逮捕されたパティシエの早瀬陸は、悪徳刑事・儀堂歩に追い詰められ、真犯人を見つけ出すため、家族と過去を捨てて儀堂の顔に変わり“リブート”を決意する。

■放送情報
日曜劇場『リブート』
TBS系にて、毎週日曜21:00~21:54放送
出演:鈴木亮平、戸田恵梨香、永瀬廉(King & Prince)、蒔田彩珠、中川大輔、藤澤涼架、与田祐希、上野鈴華、藤田ハル、矢崎滉、野呂佳代、塚地武雅(ドランクドラゴン)、津田篤宏(ダイアン)、伊藤英明、山口紗弥加、池田鉄洋、酒向芳、黒木メイサ、原田美枝子、北村有起哉
脚本:黒岩勉
音楽:大間々昂、木村秀彬
主題歌:Mr.Children「Again」(TOY'S FACTORY)
プロデュース:東仲恵吾
協力プロデュース:國府美和
演出:坪井敏雄、田中健太、元井桃
製作著作:TBS
©TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/REBOOT_tbs/
公式X(旧Twitter):@reboot_tbs
公式Instagram:reboot_tbs
公式TikTok:@reboot_tbs

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