『ばけばけ』ヘブンや錦織が慕われる理由 『あんぱん』『なつぞら』にも登場の名物教師たち

『ばけばけ』『あんぱん』登場の名物教師たち

 NHK連続テレビ小説『ばけばけ』第19週「ワカレル、シマス。」では、ヘブン(トミー・バストウ)が長く愛着のあった島根県の松江から熊本へと旅立つこと移ることをトキ(髙石あかり)たちに提案する。そして、松江を離れるということは、今まで旧知の仲であった錦織(吉沢亮)との別れを意味する。

 松江中学の英語教師を務める錦織は、日本にやってきたヘブンの暮らしをサポートをしながら、教師として授業を受け持ちつつ、ヘブンの授業を教室の片隅から見守ってきた。明らかに錦織に宛てて愚痴をこぼすように紡がれる英語の例文に、戸惑いの表情を浮かべる様子はもはや恒例行事といえるだろう。

 そんな錦織は生徒たちからも接しやすい教師だったのかもしれない。ヘブンの家でクイズを開催したときは、生徒たちに混じって錦織も参加。誰よりもヘブンとの絆を自負している彼だったが、クイズにはまったく正解することができず、不貞腐れているところを生徒たちにもイジられる。真面目がゆえに不憫な扱いを受けるところも、錦織が生徒から身近に感じられる一因なのかもしれない。

 一方のヘブンも、生徒たちからは一定の支持を集めていた。新聞記事でトキの噂が出回ったとき、ヘブンを悪くいう生徒たちを正木(日高由起刀)や小谷(下川恭平)が諌めようとしたのは、普段からヘブンの誠実な姿勢を目の当たりにしていたからこそだろう。実際、ヘブンのモデルとなったラフカディオ・ハーン(小泉八雲)も教え子たちからの人望は厚かったという。第91話で帝大を目指す錦織の弟・丈(杉田雷麟)がヘブンに教えをこうと、次々と生徒たちが手を挙げて集まってくる場面にも、ヘブンに対する信頼が顕著に表れていた。

 現代のドラマでは、今までにない多様な教師像が描かれている。ドラマ『宙わたる教室』(2024年/NHK総合)の藤竹叶(窪田正孝)や『御上先生』(2025年/TBS系)の御上孝(松坂桃李)は明確な答えを提示せずに、自主性を重んじる「アクティブ・ラーニング」の視点を取り入れながら、悩みを抱える生徒たちを導いていく。一方で『素晴らしき哉、先生!』(2024年/ABCテレビ・テレビ朝日系)の笹岡りお(生田絵梨花)や『なんで私が神説教』(2025年/日本テレビ系)の麗美静(広瀬アリス)のように、先生自身も悩めるひとりの人間として、仕事やプライベートのことで苦悩する姿が映し出される。

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