小林千晃、声優業は「好きという以上に自分に向いている」 役者としてのスタンスを語る
TVアニメ『地獄楽』第2期が、1月11日よりテレ東系ほかにて放送開始される。死罪人・画眉丸と執行人・山田浅ェ門佐切の関係性を軸に描かれた第1期から約2年半。第2期では、島を支配する存在・天仙との全面対決へと突入し、物語のスケールを大きく拡張する。画眉丸役を務める小林千晃は、再び作品世界と向き合う中で何を感じ、どのような変化を得たのか。キャラクターへの深い洞察から、役者としてのスタンス、そして『地獄楽』という作品から受けた影響を語ってもらった。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】
『地獄楽』が教えてくれた“弱さ”の肯定
――第1期から約2年半を経て、第2期がいよいよ放送となります。改めて『地獄楽』という作品の世界観を、どのように捉えていますか?
小林千晃(以下、小林):『地獄楽』は、画眉丸と佐切、杠と仙汰、巌鉄斎と付知など、本来なら決して相容れない立場や価値観を持つ者同士がペアとなり、神仙郷という地獄のような場所を共に生き抜いていく物語です。その関係性自体もアツいですし、同時に深く考えさせられるテーマだなと改めて感じています。死罪人と打ち首執行人という関係性もそうですし、画眉丸でいえば、殺しに善悪の区別なく向き合ってきた人間が、妻のもとへ帰りたいという感情を“弱さ”と捉えてしまう。一方で佐切は、他者のために戦えることは“強さ”だと理解しながらも、殺すことを仕事とする自分自身に葛藤している。その対比が象徴的だと思いました。
――第2期では、人間と天仙の全面対決が描かれます。スケールが拡張された物語の中で、注目してほしいポイントを教えてください。
小林:第1期の終盤でも触れられていましたが、第2期からは氣(※タオ:作中の登場人物たちが操る生命エネルギー)という要素の描写がより前面に出てきます。それが映像としてどう表現されていくのか、そしてその氣をどう工夫して使いながら、あの圧倒的な存在である天仙に立ち向かい、果たして勝てるのかという点は大きな見どころだと思います。しかも氣は単なる能力ではなく、人と人との関係性と深く結びついていて、相手に対して優位な氣を持つことで効果的に作用したり、あるいは癒しとなる存在がいたりする。そうした関係性の重要さが、そのまま戦闘システムにも反映されている点が非常によくできているなと感じました。
――第1期の放送から約2年半を経て、小林さんご自身の中に変化はありましたか?
小林:約2年半という時間を経て、ある種熟成された状態で第2期に臨めたと思っています。この間に『地獄楽』以外のさまざまな作品や経験を通して、自分の考え方や芝居との向き合い方にも変化はあったはずですが、実際にアフレコに入ると、第1期の13話から自然に地続きで収録できた感覚があって、それが自分でも不思議でしたね。
――画眉丸というキャラクターを演じる中で、小林さんご自身が受けた影響はありますか?
小林:第1期序盤の画眉丸は、自分が「弱点だと思ってしまうこと」そのものが弱点になっている人物だったと思います。妻のもとへ帰るという最優先の目的があるからこそ、佐切を倒せないことや、仲間を頼ってしまうことを弱さだと捉えてしまう。でも、それを周囲から「それは強さなんだ」と教えられていくんですよね。僕自身も、苦手なことや自分の良くない部分、他人と比べて「これは自分にはないな」と感じる瞬間はありますが、それも含めて自分の個性なんじゃないかと思えるようになりました。画眉丸というよりは、もしかしたら佐切の存在からかもしれませんが、大きな学びをもらったな、と感じています。
――良くも悪くも自分を俯瞰して捉える感覚は、以前からあったのでしょうか?
小林:それは昔からかもしれません。ある意味でコンプレックスでもあって、当事者意識が少ないというか、周囲の人たちがすごくエネルギッシュに生きているなと感じる瞬間があるんです。楽しいことがあれば素直に笑ったり、みんなで集まって盛り上がっている場でも、僕は一歩引いたところから見てしまうことがあって。それは気を遣っているというより、自分が少し保守的になっているだけなんだと思いますし、自分でも「今、俯瞰しているな」と気づくんですよね。