【今夜放送】『ズートピア』続編の前に押さえたい注目ポイント 現代社会の矛盾を寓話に

12月5日、ディズニーの新作アニメ映画『ズートピア2』がついに公開を迎える。同日には、日本テレビ系『金曜ロードショー』で前作『ズートピア』が本編ノーカットで放送される。
そこで今回は、まだ同作を観たことがない人に向けて、『ズートピア2』を楽しむために押さえておきたいポイントを紹介。作品の魅力を1つずつ整理していくので、「昔観たことがあるけどうろおぼえになってしまった」という人も参考にしてほしい。
同作の舞台となるのは、誰でも何にでもなれるという夢のような街「ユートピア」。そこには肉食も草食も関係なく、さまざまな動物たちが一緒に生活を営んでいた。田舎から上京してきたウサギのジュディは幼い頃から夢だった警察官の仕事に就くが、そこで奇妙な事件に巻き込まれていく……。
まず同作の大きな見どころといえば、主人公のジュディと相棒のニックとの関係性だろう。ジュディは誰よりも正義感が強く、バイタリティにあふれているが、理想主義的で危なっかしいところがあるのが玉に瑕。それに対してニックはいつもシニカルな態度をとっている現実主義者で、まさに正反対のキャラクター像となっている。

作中ではそんな2人がズートピアで起きた事件を一緒に追うことになり、衝突や和解を経て、バディとして絆を深めていく。とくに重要なのは2人が恋愛に近い関係ではなく、あくまでバディとして描かれていること。その関係性が『ズートピア2』でどのように発展していくのか、期待したいところだ。ちなみに予告編などでは、「指名手配犯ヘビ・ゲイリーを探せ」という任務を下された2人が新たな冒険に飛び込んでいくストーリーになることが示されている。
また、個性豊かな動物が登場することも『ズートピア』の魅力。驚くほどゆっくりと動きながら働くナマケモノのフラッシュや、カリスマ的ミュージシャンとして活躍するガゼルなど、作中ではさまざまなキャラクターたちが活躍する。その描き方も奥が深く、それぞれの動物ならではの習性や生態を反映しつつも、1人ひとりが“個性”を獲得して自由に生きる姿をしっかり描いている。

たとえば警察署の受付で働くクロウハウザーは、チーターでありながらのんびり屋でふくよかな体型をしているのが特徴。また主人公のジュディはウサギなので身体が小さいが、並外れた努力によって「警察官になる」という夢を叶えるのだった。さらにニックは「キツネはずる賢い」という世間の偏見に飲まれ、詐欺師として生きていたが、ジュディとの出会いによって徐々に自分らしさを獲得していく。
「この動物はこういう習性だ」という決めつけが、ほとんどの場合世間の偏見でしかないこと。これを丁寧なキャラクター描写によって暴き出すのが、同作のシナリオの優れたところだ。
『ズートピア2』ではさらに新たな動物たちが登場し、その個性を見せつけてくれるはず。陰謀論者のビーバーやセレブのオオヤマネコなど、面白そうな新キャラが多数登場することが発表されている。また監督・脚本を務めたジャレド・ブッシュはインタビューにて、今作から「哺乳類と爬虫類の対比」という新たな要素を取り入れたことを明かしていた。(※)




















