『今際の国のアリス』シーズン3は“運ゲー”すぎ? 過去の名作ゲームと“公平さ”を比較

すうとり

ではこれまでのシリーズに登場したゲームと比べるとどうだろうか。作中屈指の人気を誇るゲームとして、シーズン2の第2話から開催された「すうとり」を振り返ってみよう。
同ゲームは2時間という制限時間のなかでお互いのチームが点数を取り合い、最終的に点数の多い方がゲームクリアになるというもの。アリスたちとクラブのキング・キューマ(山下智久)が、それぞれ5人ずつのチームを組んでぶつかり合った。

各チーム1万点の持ち点があり、それを5人に振り分けたところでゲームがスタート。相手プレイヤーに接触してお互いの所持ポイントを競い合う「バトル」のほか、フィールド内にある「アイテム」を見つけるか、相手の「じんち」に触れることでもポイントの移動が起こる。一見すると身体能力を重視したゲームのようだが、実際に勝負を左右したのは知恵を使った駆け引きで、両チームともにルールの穴を突くような戦略を披露していた。
このゲームの場合、運が介入する要素は「アイテム」を見つけられるかどうかくらいで、とことんフェアな駆け引きと言っていいだろう。だからこそアリスとキューマのあいだには、最終的に敵味方を超えた絆のようなものが芽生えていた。
どくぼう

また「すうとり」に続いて描かれた「どくぼう」も、評価の高いゲームだ。毎ターン、自分の首輪の後ろに表示されたマークを答えるというシンプルなルールだが、正しいマークを知るには他人に教えてもらわなければならないため、高度な心理戦が繰り広げられた。こちらも運要素はほとんど存在しない。
こうして比べてみると、シーズン3のゲームでは運要素が多少強くなったとは言えそうだ。あるいは今回は“ルールがフェアかどうか”にこだわるよりも、もっと別の部分で視聴者を楽しませようとしたのかもしれない。
とはいえシーズン3でも「ゾンビ狩り」など、運要素がほとんど介在しないゲームは存在している。また一癖も二癖もあるキャラクター同士の心理戦や、絶体絶命のピンチを切り抜けるための意外な閃きなど、同作の醍醐味となる部分は必ずしも失われていない。
今作と過去作で、ゲームの方向性がどう変わっているのか。気になった人はぜひ新たなゲームの数々を自分の目で確かめてみてほしい。
■配信情報
Netflixシリーズ『今際の国のアリス』
独占配信中
出演:山﨑賢人、土屋太鳳、磯村勇斗、三吉彩花、毎熊克哉、大倉孝二、須藤理彩、池内博之、玉城ティナ、醍醐虎汰朗、玄理、吉柳咲良、三河悠冴、岩永丞威、池田朱那、賀来賢人
原作:麻生羽呂『今際の国のアリス』(小学館『少年サンデーコミックス』刊)
監督:佐藤信介
脚本:倉光泰子、佐藤信介
音楽:やまだ豊
撮影監督:河津太郎
美術監督:斎藤岩男、大西英文
アクション監督:下村勇二
VFXスーパーバイザー:土井淳
エグゼクティブ・プロデューサー:坂本和隆
プロデューサー:森井輝、高瀬大樹
制作協力:株式会社THE SEVEN
企画・制作:株式会社ロボット
製作:Netflix
©︎麻生羽呂・小学館/ROBOT






















