『今際の国のアリス』シーズン3は“運ゲー”すぎ? 過去の名作ゲームと“公平さ”を比較

9月25日からNetflixで世界独占配信が始まり、大きな話題を呼んでいる『今際の国のアリス』のシーズン3。今作でも登場人物たちが生死を懸けてさまざまなゲームに挑む様子が描かれているが、視聴者のあいだでは運によって結果が左右される「運ゲー」ではないか……という声も上がっているようだ。
そこで今回は、過去シリーズも振り返りながら、「実力でクリアできるゲームなのかどうか」を検証していきたい。
暴走でんしゃ

まずは今作でもっとも議論を呼んでいる「暴走でんしゃ」。無人運転している電車を舞台としたゲームで、スタート車両から先頭車両まで移動し、電車を停めることができればゲームクリアというルールだ。ただし車両を移動するたびに酸素か毒ガスが噴射されるため、各プレイヤーは毒ガスの中和剤が充填されたボンベを使用するかどうかの決断を迫られる。
重要なのは、スタート車両を除く8車両のうち4車両で毒ガスが噴出するが、ボンベのカートリッジは1人5本しか用意されていないということ。すなわちすべての車両でボンベを使用することはできず、少なくとも3つの車両では“ボンベなし”でやり過ごすことが必要となる。
各車内には鳥籠に入ったカナリアがいて毒ガスが噴出されたかどうか判断できるものの、それ以外に提供されるヒントは一切なし。しかしウサギ(土屋太鳳)は「みんな死ぬのが怖い。だから前半にマスクをつけてしまう。ゲームの作り手はその心理を利用して後半に毒ガスを撒くはず」と作り手側の心理を読もうとしていた。そのほか、電車の形状をもとにした推理なども行われたが、最終的にはやや“ゴリ押し”に近い方法によってクリアしている。
作中で提示された情報だけで考えれば、このゲームはかなり運要素が強いと言える。ウサギがやったような作り手の心理を読む方法は確実性が低く、実際に作中では「作り手は並走した電車の様子を見せてボンベを使わせようとしている」という読みが外れるところが描かれていた。また電車の形状をもとにした推理にしても、あまりに専門性の高い知識なので、限られた人間にしか使えないだろう。
とはいえ、作中で描かれなかった部分にヒントがあったと考えることもできる。つまりカナリアの挙動や車内に貼られているポスターなどに重要な情報が隠されていて、それを手掛かりにすれば正攻法で突破できた……という可能性だ。作中では描写されなかったものの、アリス(山﨑賢人)たちのチームは正攻法でこのゲームをクリアしていた様子なので、ウサギたちが見落としていただけで何か推理の材料が隠されていたのかもしれない。
ミライすごろく

またシリーズ3では、「ミライすごろく」というゲームも注目を浴びている。複雑なルールなので詳細を省いて説明すると、同ゲームのステージは縦5部屋、横5部屋の25部屋からなり、出口のある部屋を目指していくのが目的。サイコロを振り、出た目の人数だけ次の部屋に進むことができる。このとき取り残されたプレイヤーは「強制ステイ」を強いられ、とある条件を満たさなければ別の部屋に移動できない。
またプレイヤーはそれぞれ15ポイントを与えられており、それを消費しながら行動するという仕組みで、0ポイントに達するとゲームオーバーになってしまう。

このゲームに関しては理不尽な要素が少ない印象で、実際に作中ではアリスの頭脳が攻略の役に立っていた。しかし部屋によっては入るだけで何ポイントかマイナスされるという仕掛けもあるため、若干フェアではないという見方もできそうだ。





















