「これが映画だ!」と思わずにいられない 『ワン・バトル・アフター・アナザー』に大興奮

リアルサウンド映画部の編集スタッフが週替りでお届けする「週末映画館でこれ観よう!」。毎週末にオススメ映画・特集上映をご紹介。今週は、宮川が映画公式にコメントも寄せた『ワン・バトル・アフター・アナザー』をプッシュします。
『ワン・バトル・アフター・アナザー』
『ブギーナイツ』『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』『インヒアレント・ヴァイス』『リコリス・ピザ』……いつも“間違いない”作品を届けてくれる数少ない映画作家、ポール・トーマス・アンダーソン(以下、PTA)。そんな彼の新作『ワン・バトル・アフター・アナザー』は、これまでのPTA映画とはだいぶ趣の異なるタイプの作品だが、「これが映画だ!」と思わせてくれる興奮と感動に満ちた一作だった。
主人公はレオナルド・ディカプリオ演じる革命家のパット・カルフーン/ボブ・ファーガソン。彼が革命家として活躍していた時代から始まり、その16年後、娘のウィラ(チェイス・インフィニティ)が軍人のロックジョー(ショーン・ペン)にさらわれ、彼女を取り戻すために奔走するさまが描かれていく。
映画の冒頭、ディカプリオが画面に現れた瞬間に傑作だと確信。ボブやのちに彼と恋に落ちることになるペルフェディア(タヤナ・テイラー)らが所属する過激派左翼グループ「フレンチ75」が、変態軍人ロックジョー(ショーン・ペン)率いる軍に捕えられた移民たちを解放するために収容所を襲うシークエンスだ。バッキバキに決まった構図とジョニー・グリーンウッドによる圧巻の劇伴でテンションが爆発していくこのシークエンスだけで、映画1本分の価値がある。
シンプルなストーリーながら、登場人物はどいつもこいつも謎だらけ(ベニチオ・デル・トロ演じる「センセイ」が最高!)。それでいて162分の長尺とは思えないスピード感で、アクションもサスペンスもコメディも楽しめる“完璧な映画”だ。
間違いなくPTA映画だが、今までのどのPTA映画とも違う、真骨頂にして新境地。ビスタビジョンで撮影された本作は、PTA作品史上初めてIMAX上映が行われる。試写は通常上映だったので、全編が1.43:1の拡張アスペクト比で上映されるIMAXでも早く観たい。惜しむらくは、IMAX上映の回数が限りなく少ないこと。なんとか来週以降も続いてほしい。とにかくずっとカッコいい。それだけで最高じゃないか。
■公開情報
『ワン・バトル・アフター・アナザー』
全国公開中
出演:レオナルド・ディカプリオ、ショーン・ペン、ベニチオ・デル・トロ、レジーナ・ホール、テヤナ・テイラー、チェイス・インフィニティ
監督・脚本:ポール・トーマス・アンダーソン
撮影:マイケル・バウマン、ポール・トーマス・アンダーソン
衣装:コリーン・アトウッド
音楽:ジョニー・グリーンウッド
配給:ワーナー・ブラザース映画
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