佐藤隆太×加藤シゲアキ×山下美月、それぞれの印象の変化を語る 船上での撮影で育んだ“絆”

佐藤隆太×加藤シゲアキ×山下美月が語り合う

 10月7日よりフジテレビ系で放送がスタートする連続ドラマ『新東京水上警察』は、日本初の水上警察を題材にしたマリン×クライムエンターテインメント。主演の佐藤隆太をはじめ、加藤シゲアキ(NEWS)、山下美月ら個性豊かなキャストが集結し、東京の海や川を舞台に迫力の海上アクションを繰り広げる。船上での撮影を通して「チームの結束が強まりました」と語る3人に、撮影の裏話や、お互いの印象の変化を聞いた。

船上で育まれたチームの一体感

ーー水上警察を題材にした今回の企画を最初に聞いたときの感想を教えてください。

佐藤隆太(以下、佐藤):お話をいただいてすぐに吉川先生の原作を手にしたのですが、一気に夢中になってしまうほど面白くて。小説ならではの迫力ある事件が次々に起こり、この世界観全てを映像化するのは難しいだろうなと思いつつも、あえて連ドラで挑戦する気概を感じまして、ぜひやらせていただきたいと思いました。

加藤シゲアキ(以下、加藤):僕は「自分に合っているな」と思いました。趣味で釣りをしているので(笑)。でも実際は船酔いしない体質というのもあって、「これは僕にぴったりなのかもしれない」と。原作を読む前から、海に限定された警察の物語は新鮮でワクワクしましたし、海上保安庁とは違う組織という説明もあって、今まで見たことのないストーリーになりそうだなと。主演が佐藤さんだと聞いて、11年ぶりの共演になることも楽しみでしたし、「これはやるしかない」と思いました。

山下美月(以下、山下):私は警察ものへの出演が初めてで、25歳というタイミングでこうした役をいただけたことにまず驚きました。水上警察は自分にとって馴染みがなかったので、「海技職員って何だろう?」という疑問からスタートしました。役を作っていくうえで不安もありましたが、スタッフや共演者の皆さんと一から積み上げていくことに大きなワクワクを感じました。

佐藤:普段の連続ドラマではなかなか見られないような映像が視聴者の皆さんに楽しんで貰えるんじゃないかという点はこの作品の魅力の一つだと思います。「水上警察」という題材自体が特殊なので、そうした新鮮さや迫力みたいなものを連続ドラマで楽しんでいただけたらと思いますね。

ーー実際の船での撮影はいかがでしたか?

佐藤:クランクインして早い段階で海に出たのですが、最初はスタッフ含め全員が手探り状態でした。海上での撮影経験がある人は少ないので、みんなで意見を出し合いながら進めていったんです。撮影船を併走させたり、ドローンを飛ばしたりと難しさはありましたが、その経験を乗り越えたことで一気にチームの結束が強まりました。

加藤:撮影は梅雨時期から始まったのですが、ほとんど雨に当たらなかったんです。晴れ男なのかもしれません。船の揺れや暑さとの戦いもありましたが、互いに声を掛け合いながら撮影したことで、チームワークがさらに深まったと思います。

山下:私はこの作品のために船舶免許を取得しました。実際に運転を任されることもあって、スタッフを含め30人近くが乗る船を操縦するのは本当に緊張しました。でも普段できない経験をさせていただきましたし、波の流れを読めるようになってからは不思議と船酔いもしなくなったんです。とても貴重な体験でした。

ーー船酔いの話もありましたが、実際の船での撮影の思い出を教えてください。

佐藤:僕は船酔いしやすくて、陸に戻っても体が揺れている“陸酔い”に苦しんでましたね(笑)。

加藤:でも佐藤さん、撮影中は意外と涼しい顔してましたよね。碇役はアクションも多くて大変だったと思います。

佐藤:内心グラグラだったけどね(笑)。船に乗る僕らと、カメラを積んだ撮影船が併走しながら撮影するんですが、位置関係の調整やドローン撮影で撮り直し必要になると、その度に船をスタート位置に戻して…その繰り返しでした。3日間連続で朝から晩まで海に出ていたときは、本当にみんな大変だったと思います。

ーー山下さんは、この作品のために船舶免許を取ったとおっしゃっていましたね。

山下:お話をいただいたのが撮影の2カ月前くらいで、「時間がない!」と思って、事務所にも言わずに近くのハーバーに直接電話して申し込んだんです。スタッフさんも事務所もびっくりして「勝手に取ってる!」って(笑)。

加藤:しかも2級じゃなくて1級まで。

佐藤:すごいよね。

山下:ちょうど車の免許も同時期に取っていて、なんなら船の方が先でした(笑)。

佐藤:珍しいタイプだなあ!

ーー1級船舶免許は世界一周できるくらいすごいですよね。免許を生かして今後叶えたいことは?

山下:まずは船より車が欲しいですね。

佐藤:車より先に船買ったら、なかなかアツいよね(笑)。

山下:確かに(笑)。でも海外で運転してみたい気持ちはあります。

加藤:それは気持ちいいね!

ーーお二人は何か準備されたこととかありますか?

佐藤:僕たちは特に免許が必要なわけではないですが、普段通り役を理解するために原作を読んで、キャラクター像を想像していきました。また、撮影に入る前にスタッフとキャストの顔合わせも兼ねて本読みをしました。最近は本読みをしない作品も多いのですが、事前に皆さんにお会いして、それぞれの役の雰囲気や距離感を確かめられたのはいい機会となりました。

加藤:そうそう。隆太さんが「やりたい」と言ってくださったんですよね。主要キャストが集まってできたのは大きかったです。それぞれ共演経験はあっても、このチームでの撮影は初めてだったので、まとまりが生まれていくのを感じました。碇さんとの立ち稽古もあって、よりチーム感を作れたのがよかったですね。

有馬礼子と山下美月の共通点は“意志の強さ”?

ーー今回の役でご自身に重なる部分はありましたか?

佐藤:よく聞かれるんですが……最近自分がどんな人間なのか、よく分からなくなってきていて(笑)。碇は本当にかっこいい男なんです。隙を見せつつも仲間を引っ張っていく。僕自身は全然似ていないけど、憧れます。似ている部分があるとすれば、たまに些細なことでむきになるところくらいです(笑)。

加藤:僕は日下部を演じていて、「今カメラ回ってた?」と思うくらい自然に演じることができました。セリフなのか本当に会話しているのか分からないようなシーンもあって。だから役を演じてるというより、自分を引き寄せてる感覚に近い。あと、生意気なところも自分にも似てるかも。逆に「こういうとき嫌な奴だな、気をつけよう」と役から気づかされることもあります。

山下:私は全然似てないなって思うんですけど……。

佐藤:いや、芯の強さは似てると思うけどな。この前も「護身術を習いたい」って言ってたじゃないですか。「誰にも頼りたくない、自分の身は自分で守りたい」と話していて、本当に芯が強い方だなと思いました。礼子も同じように意志の強い女性だから、そこは重なるんじゃないかな。

加藤:うんうん、すごく礼子っぽい。

山下:恥ずかしいですね(笑)。役に引っ張ってもらった部分は大きいかもしれません。船を出航させるのって本当に体力が必要で、ピラティスに通う頻度を増やして体づくりもしました。礼子のプロ意識や強さは自分も真似したいなと。

佐藤:なるほど。

山下:逆に自分とは違うからこそ近づきたい、という思いがあって。現場でも先輩方に囲まれて、礼子が海技職員として認められたいと必死に頑張るのと同じように、私も負けたくない、ちゃんとついていきたいと思っていました。

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