『ブルーロック』実写化はキャラの“再現度”が鍵に 超人的なサッカー描写は成立するのか?

累計発行部数5,000万部を突破している大人気サッカーマンガ『ブルーロック』。同作が実写映画化され、2026年夏に公開されることが明らかとなった。
『ブルーロック』実写映画化&新作アニメ決定 制作は『キングダム』シリーズのCREDEUS
9月28日に、京王アリーナ TOKYO(武蔵野の森スポーツプラザメインアリーナ)にて開催されたTVアニメ『ブルーロック』のキャス…さっそくファンたちのあいだでは大きな反響が上がっているものの、その内容は好意的なものばかりではなく、不安を抱いている人も多いようだ。そこで今回は実写化にあたって期待したい点と不安な点について、原作の内容を踏まえながら検討していきたい。

同作は日本フットボール連合がサッカーワールドカップ優勝という悲願を叶えるため、絶対的なエースストライカーを育成する「青い監獄」(ブルーロック)プロジェクトを立ち上げるという設定。主人公の潔世一は、全国から集められた300人の高校生フォワードたちと争いながら、自身の“エゴ”を覚醒させていく。
斬新な設定もさることながら、作品の人気を支えているのは、個性豊かなキャラクターたちの存在だ。つかみどころのない性格で卓越したドリブル技術を誇る蜂楽廻、王様(キング)を自称するエゴイズムの権化・馬狼照英、極度のめんどくさがり屋だが圧巻のトラップ技術をもつ凪誠士郎など、性格もプレイスタイルも特徴的な面々が揃っている。
キャラクター再現度が最初の関門に
実写化にあたって注目すべきは、こうしたキャラクターの魅力をどこまで再現できるのかということだろう。
たとえばビジュアル面に関しては、赤い長髪で中性的なルックスをもつ千切豹馬や、手足が長くサラサラのロングヘアが特徴的な蟻生十兵衛などを実写で再現するのはなかなか難しそうだ。実際にSNS上では、「千切の再現度で見るか見ないか決まる」「千切豹馬がド級の美人じゃないと」といった声が見受けられる。
とはいえ今回実写化を手掛けるCREDEUSは、『キングダム』や『ゴールデンカムイ』などの実写シリーズをヒットさせてきた制作会社。とくに『ゴールデンカムイ』はキャスティングの評価が高く、主人公・杉元佐一役の山﨑賢人から鶴見中尉役の玉木宏、土方歳三役の舘ひろしに至るまで、原作ファンが大絶賛するビジュアルを実現していた。
CREDEUSの代表・松橋真三氏によると、『ブルーロック』のキャスティングでも「1,000人を超える大規模なオーディション」を実施し、キャストを選び抜いたそうなので、その点は期待しておいてもいいのではないだろうか。
超人的なサッカー描写は実写で成立するのか?
さらにもう1つの懸念点とされているのが、サッカー描写のリアリティだ。作中の登場人物たちはいずれも超人的な身体能力をもち、現実を超越するレベルのプレイを連発する。仮にCGを使うとしても、ボールさばきや身のこなしに関してはそれなりのリアリティを求められるはずだ。SNS上では、「サッカーの実写はフォームで未経験だとわかって冷める」「超人サッカーだから実写でやるのは厳しそう」といった声が上がっている。
しかしこの点に関しても、CREDEUSの制作スタンスには信頼できる部分がある。というのも実写化のオーディションでは、ビジュアルや演技力だけでなく“サッカー経験”も重視した審査が行われたというからだ。
また松橋氏は「キャスト陣はクランクインの約1年半も前からプロサッカー選手らの指導のもと練習を重ね、原作さながらな“エゴイスト”たちへと変貌を遂げました」ともコメントしており、同作でサッカー描写が重要になることを深く理解していることが分かる。
そもそもCREDEUSは、6月6日の公開から未曽有の大ヒットを記録している映画『国宝』の制作会社でもある。同作は吉沢亮と横浜流星が歌舞伎の女形を演じる作品だが、2人は撮影のために1年半にわたって歌舞伎の稽古を受けていたという。その成果は如実に画面に表れており、作中で披露する芸には本物の歌舞伎役者さながらの迫力が宿っていた。
そうした成功例が存在することを考えると、『ブルーロック』でも同様のこだわりを見せ、説得力のあるサッカー描写を実現してくれるのではないかと期待したくなる。
個性豊かなキャラクターたちが、ド派手なプレイを見せつける異色のサッカーマンガ『ブルーロック』。実写化にはさまざまなハードルがあるものの、「CREDEUSなら期待できそう」という声も少なくない。まだ作品の情報はほとんど明かされていないので、ひとまずは続報の到着を楽しみにしたい。
参照
https://realsound.jp/movie/2025/09/post-2170908.html
■公開情報
『ブルーロック』
2026年夏より全国公開
原作:金城宗幸、ノ村優介『ブルーロック』(講談社『週刊少年マガジン』連載)
制作:CREDEUS
製作:CK WORKS
配給:東宝
©金城宗幸・ノ村優介/講談社 ©CK WORKS『ブルーロック』






















