朝ドラでなぜ今“明治”を描くのか 『ばけばけ』を“なんでもない物語”にした意図をCPに聞く

また、夫のモデルとなる小泉八雲が有名人だからこそ、“なんでもない物語”を描く難しさもあるという。

橋爪は「どうしても『小泉八雲さんのお話なんでしょう?』と思われがちですが、私たちがやりたいのはそこではなくて。小泉八雲さんをどう描くのかに注目されている方も多い中で、そういった方々にも満足していただけるように、史実に残っているエピソードは極力変えずにドラマにしたいと思っていますが、リスペクトも含めて、そのバランスに苦労しているところです」と話した。
物語の舞台は、セツが生まれ育った松江。とりわけ第1週では、大橋川にかかる松江大橋がカギを握る。村橋は「まだこの企画が決まる前、橋爪と一緒に資料も何もない中で、松江を20キロ歩きました。城の周りをぐるぐると歩いて、旅の途中で古地図を手に入れる……RPGみたいなことをしていました(笑)」と懐かしみ、その体験がドラマ制作の原点になったと語る。

「ここが元々セツさんの住んでいた場所か、ここが引っ越した後の場所か、と歩きながら調べていって。『大橋川を隔てて、こちら側が武家の町、こちら側が庶民の町だったんだね』『主人公はまさにこの橋を越えて、庶民側に住まなきゃいけなくなった。これは屈辱的なことだったのかもしれないね』といった気づきから物語を編み始めました。松江の風景として、そんな松江大橋の北と南をしっかりと表現したいと、VFXも駆使して映像を作っています」(村橋)
主人公・トキを演じる髙石をはじめ、父役に岡部たかし、母役に池脇千鶴、祖父役に小日向文世と個性豊かなキャスト陣が集結。急激な変化の時代を生きる彼女たちが、現代を生きる私たちにどのようなメッセージを届けてくれるのか、放送開始が待ち遠しい。
■放送情報
2025年度後期 NHK連続テレビ小説『ばけばけ』
9月29日(月)スタート 毎週月曜から金曜8:00〜8:15放送/毎週月曜〜金曜12:45〜13:00再放送
BSプレミアムにて、毎週月曜から金曜7:30〜7:45放送/毎週土曜8:15〜9:30再放送
BS4Kにて、毎週月曜から金曜7:30〜7:45放送/毎週土曜10:15~11:30再放送
出演:髙石あかり、トミー・バストウ、吉沢亮、岡部たかし、池脇千鶴、小日向文世、寛一郎、円井わん、さとうほなみ、佐野史郎、北川景子、シャーロット・ケイト・フォックス
作:ふじきみつ彦
音楽:牛尾憲輔
主題歌:ハンバート ハンバート「笑ったり転んだり」
制作統括:橋爪國臣
プロデューサー:田島彰洋、鈴木航、田中陽児、川野秀昭
演出:村橋直樹、泉並敬眞、松岡一史
写真提供=NHK



















