前田佳織里×高尾奏音、“自分を変えてくれた出会い”を語り合う 初めて知った一面に驚き

7月より放送中のTVアニメ『異世界黙示録マイノグーラ ~破滅の文明で始める世界征服~』(以下、『マイノグーラ』)。国家運営シミュレーションゲーム「Eternal Nations」を模した異世界に転生した伊良拓斗が、“破滅の王”として邪悪国家「マイノグーラ」を建国・運営していく。
本作で前田佳織里が演じるのは、王のお世話係に任命されるダークエルフの双子の姉・メアリア役。高尾奏音は、妹のキャリア役を演じている。いずれも心のなかに闇を抱えており、残酷な過去を背負っているという役どころだ。終盤に向けて、役作りにあたって意識したことや収録中のエピソードなどを2人が明かした。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】
前田佳織里×高尾奏音にとって“自分を変えてくれた出会い”

——『マイノグーラ』はコミカルなノリの作品ですが、シリアスな場面も多いですよね。とくにメアリアとキャリアの過去エピソードは重めな話でしたが、どんな意識で演じましたか?
前田佳織里(以下、前田):最初は天真爛漫なメアリアと、クールだけどしっかり者なキャリアという対比が描かれていて、視聴者の方々は「かわいい子たちが出てきた」という第一印象だったんじゃないかと思います。でもダークエルフたちはすごく苦労していて、迫害を受けていたのをようやく王様に守ってもらえる立場になったわけですよね。そこでメアリアから「お母さんを食べたの」という衝撃的なセリフが出てくる。役者人生をやってきて、お母さんを食べたことがある役って、なかなか演じることがないなと。メアリアは子どもなので、心がすごく柔軟で柔らかいからこそ、当時受けたショックは計り知れなかったと思います。演じているときには、ずっと心の焦点が定まっていない感覚を意識していました。その一件があってから、ちょっと自分の中でズレが生じてしまったみたいな感覚で、ただ明るいのではなく、どこかちょっとふわふわしているところを大切に演じていました。
高尾奏音(以下、高尾):オーディションの段階で原作を少し読ませていただいたんですけど、過去があまりにも重いというか、壮絶だったので、そこで受けた心の傷によってメアリアとはまた真逆の形で感情が出るようになった子なんだなというふうに私の中で落とし込んでいました。メアリアは明るく振る舞うことで感情を殺す子だったんですが、キャリアはもう感情自体も何も感じなくなってしまったような子で、絶望によって感情が麻痺しちゃったみたいな……。そういうお芝居ができたらなという気持ちで、登場時は演じさせてもらいました。

——メアリアもキャリアも、拓斗と出会ったことで少し前向きな変化があったと思います。
前田:拓斗のそばにいさせてもらえることになったくだりで、最初姉妹がわざと怒られようと振る舞っていたんですよね。そこは演じていて「心が痛いな」と思いました。やっぱりずっと「消えたかった」んだろうなと。でも拓斗と出会ったことによって、いろいろつらいことがあった自分でも受け入れてくれるんだと思えるようになった。自分たちとしてはもう本当に悪いことしてしまったと。それはしょうがない、悪いことはしてないんですけど、お母さんを食べてしまったとか、どうにも状況を変えられなかった自分も悔しいだろうし、そこの救いを拓斗に求めたことによって受け入れてもらった気持ちもあったと思います。それからメアリアとキャリアが水を得た魚のように……。
高尾:生き生きとし始めましたよね。
前田:明るく楽しく、いろいろ政治とかも勉強していて、いい王様に出会えて本当に良かったなと思いました。

——お2人にとっても、「この人のおかげで自分が変わった」と思えるような出会いはありますか?
前田:初めてアーティストとしての曲を社内ライブで歌う機会があったとき、MCのタイミングがなかったんですが、そこで事務所の先輩の田野アサミさんと牧野由依さんが「初めてなんだからちゃんと時間があったほうがいいよ、構成的に難しいなら順番変わるよ」と言ってくださったんです。自分のライブなんだからもっと自分から意見を言えばよかったんですが、初めてのことでどこまで意見を言っていいかも分からなくて。先輩のお2人が引っ張ってくださったのがめちゃめちゃカッコいいなと思いました。素晴らしすぎるので、自分がこうなれる未来が想像つかないと思っていたくらい。話せば話すほど、本当に素敵なお2人だなと思います。それがあったから、今後も自分がこの曲やるにはどういう意味で……というこだわりをちゃんと持てるようになったし、一つのきっかけになったなと思います。
——素敵なエピソードですね。高尾さんにもそうした出会いはありますか?
高尾:私はもともと笑顔を作るのが結構苦手なタイプで、撮影でも緊張しちゃうから、毎日鏡の前で練習してるんですけど……。
前田:えー! 私も昔やってた!
高尾:姉妹の血が流れてる(笑)。
前田:表情って難しいよね。

高尾:こんなに笑っていいのかなとか、自分で迷っているときがあったんですが、『BanG Dream!』というプロジェクトで出会ったスタッフさんが「高尾さんは笑顔がかわいいから絶対笑ってたほうがいいよ」みたいなことをすごく力説してくださって。それから自信を持てるようになって、カメラの前でも笑えるようになりました。
——そのスタッフさんはファインプレーですね。
前田:そのおかげで今日もね、素敵な笑顔が(笑)。
前田佳織里&高尾奏音の意外すぎる趣味

——拓斗の価値観は独特で、「悪」とはどんなことをしてもいい、自由ってことなんだと考えています。お2人にはつい「悪いことをしちゃった」というか、「ハメを外しちゃった」みたいな経験はありますか?
前田:好きなこととか、「自分が熱中してることに対しては惜しみたくない」というのがそれかもしれません。今カードゲームにハマっているんですが、デッキを組むのが楽しすぎて……。こんなにハマった趣味は初めてです。今までは趣味があっても「ライブ前とか忙しかったらできないよ」なんて思っていたんですが、逆にどんなに忙しくて、どんなに切羽詰まっていてもやってしまうのが趣味なんだなって(笑)。昨日とかもめっちゃ遅く、朝の4時とか5時までデッキをずっと考えて……。
高尾:(笑)。
前田:そんなことやってる場合じゃないんですけど、デッキ組むインスピレーションが止まらなさすぎて……。
高尾:そんなことあるんだ(笑)。

前田:毎月、新しい弾が出るたびワンカートン買っています。『ロルカナ』(ディズニー・ロルカナ・トレーディングカードゲーム)という、ナレーションとしても関わらせていただいているゲームなんですが、めっちゃハマっています。
——しかもアプリじゃなくて紙のほうなのでかなりガチなカードゲーマーですね。
前田:実際の紙のやつです。ショップとかデイリークエストとかにも行って、一般の方とこっそり対戦してるんです。
高尾:バレちゃいそう(笑)。
前田:たぶんバレてる(笑)。
前田:対戦しているときに「お前のその心意気見せてみろ!」みたいな気持ちで相手のデッキを読み解くのが好きで。自分にこんな一面があったんだっていうのが最近の驚きです。私はどこに向かってるんだろうって、ちょっと思っています(笑)。ヴィランデッキが好きなんです。私もヴィランの気持ちになって夜中までデッキをめっちゃ組んで「フハハハ!」とか。
高尾:本当にヴィランになっちゃった(笑)。
前田:ヴィランって自由でいいなって思います。

高尾:私は悪いことかどうか分からないんですけど、本を読み終えていないのに大量に購入してしまって……。
前田:あー、わかる……!
高尾:積ん読(つんどく)をやってしまいます。早く読めばいいのに、途中まで読んで、あと半分残ってるのが気持ちいいんですよ。「私にはまだこれだけ読めるものが残ってんだぞ」っていう(笑)。
前田:あ、そっちなんですね。半分残っていて、読めていないことにモヤモヤしないんですか?
高尾:いっぱい手をつけているものがあるのが楽しくて、どんどん溜まっていって、読んでない本ばかりになっています。
——どんな本を読まれるんですか?
高尾:自己啓発本です……!
前田:すごい! まさかの(笑)。
——え、自己啓発本をあえて半分残して楽しんでるんですか?
高尾:そうなんです(笑)。
前田:……ちょっと、不思議すぎるわ。
高尾:みんなからなんで? って言われるんですけど、あえて半分は読まずに。それ意味あるのかっていう(笑)。
——聞いたことないですよ(笑)。
高尾:たしかに、いないかもしれないです。変な人すぎる……(笑)。
前田:いや、面白い(笑)。




















