『キャッツ・アイ』『3年Z組銀八先生』など 2025年秋に多い“まさか”のアニメ化作品

秋アニメが出揃いつつあるなか、ラインナップを見ていると感じられるのが「あの作品を今?」「あの内容でどこまでやるの?」といった“まさか”。いい意味で視聴者をざわつかせるような、意外性の強いアニメ化が目立ちます。
今回はそんな“まさか”の2025年秋アニメから特に注目すべき4本をピックアップします。
約40年の時を超えて再び! 伝説の怪盗が舞い戻る『キャッツ・アイ』
“懐かしアニメ”の続編やリメイク、リブートが頻繁に制作される昨今とはいえ『キャッツ・アイ』(「・」はハートマーク)のリメイクを予想できた人は少ないのではないでしょうか。北条司先生の不朽の名作マンガ『キャッツ・アイ』はある時は喫茶キャッツアイのオーナーとして、ある時は怪盗キャッツアイとして活躍する美人三姉妹の瞳、泪、愛によるアクション&ラブコメディです。
近年のリメイクやリブートは『UFOロボ グレンダイザーU』や『赤毛のアン』のリメイク作品『アン・シャーリー』などの僅かな例外を除いて1990年代以降の作品が中心でしたが、本作は1980年代中盤以来、約40年ぶりとなる再アニメ化となります。
前作は美人三姉妹を戸田恵子さん、藤田淑子さん、坂本千夏さんが演じていましたが、今作では小松未可子さん、小清水亜美さん、花守ゆみりさんの3人が演じることが発表されています。同様に前作からはさまざまなアレンジが加えられそうですが、アクションや「怪盗」というモチーフの面白さは普遍的なもの。前作ファンはもちろん、未見という人も現代に蘇る怪盗たちの活躍に期待しましょう。
過激表現の限界に挑む!? 『忍者と極道』
近藤信輔先生による異色の漫画『忍者と極道』のアニメ化も大きなサプライズでした。社会の裏側で暗躍し続ける忍者と極道の壮絶な戦いを描く本作を熱狂的に支持するマンガファンも多くいましたが、その過激な暴力描写や倫理観を揺さぶられる展開が魅力のためアニメ化は難しそうで、原作者もアニメ化に際してのコメントで“「自分も担当さんもずっと「映像化は……無理だよねェ……」と話していた」”と明かしていました。
本作の最大の注目点は「どこまで原作の過激な表現をアニメで再現できるのか」という点に尽きるでしょう。容赦ない殺戮やグロテスクな描写の数々を地上波で放送するとなれば、規制との戦いは避けられません。方向性こそ違いますが、夏アニメでは『ぬきたし』がさまざまな工夫をこらして地上波放送を実現していますが、『忍者と極道』はどんなアプローチでこの難題に挑むのか……原作ファンはもちろん、アニメ業界全体も注目すべき試金石となるかもしれません。
『銀魂』シリーズの新たな顔に? 『3年Z組銀八先生』
空知英秋先生による人気マンガ『銀魂』のスピンオフ『3年Z組銀八先生』も、2023年にアニメ化がされた際には、多くのファンを驚かせました。
『銀魂』のアニメは原作のラストをベースとした2021年の映画『銀魂 THE FINAL』以来。新作となれば未アニメ化エピソードのアニメ化や完全新作映画などが予想されるなかでの『3年Z組銀八先生』のアニメ化発表に、多くのファンが「おいィィィ!」と心のなかでツッコんだでしょう。
とは言え『3年Z組銀八先生』は銀魂高校に務める高校教師らしくない風貌と性格の坂田銀八を始め、『銀魂』キャラそっくりの生徒らによるトラブル続きの日常が描かれるコメディであり、PVなどを観る限り『銀魂』にふさわしいカオスさは健在の様子。意外なアニメ化ではありますが、秋アニメでも屈指の安定感のある作品となりそうです。
異世界グルメの再来! 海外人気が後押しした『かくりよの宿飯 弐』
友麻碧先生による小説を原作とする『かくりよの宿飯』の続編を予想していた人は、アニメファンでもなかなかいなかったのでは。本作は、あやかしが棲む“隠世(かくりよ)”にある老舗宿・天神屋を舞台に、料理好きの女子大生・津場木葵が奮闘する物語です。
前作の放送が始まったのは2018年春のこと。『ゴールデンカムイ』や『ウマ娘 プリティーダービー』といった今も続編や関連作が作られる人気作の始まったクールです。そのなかで『かくりよの宿飯』は佳作ながら決して大ヒットした、というわけではありませんでした。そのため筆者のように続編を諦めていた人も少なくなかったでしょうが、それだけに“まさか”の続編でした。
ただし『かくりよの宿飯』は和のテイストと心温まるストーリーの影響か海外人気はあり、同クールの作品では先述した『ウマ娘 プリティーダービー』のほか『キャプテン翼』や『こみっくがーるず』といった傑作アニメ以上の評価を得ています(MyAnimeList調べ)。こうした海外人気が続編制作を後押しした可能性はありそうです。
ここまで挙げた4作品はもちろんのこと、『かくりよの宿飯』のような意外な続編につながりそうな作品もないか、80本近い新作が待つ秋アニメを注視してみましょう。






















