赤楚衛二×桜田ひより×矢本悠馬のメイキングは必見! 『相続探偵』の絶妙なバランス感

「あんたの遺産は泣かせねえぜ」
赤楚衛二が主演を務めた日本テレビ系土ドラ9『相続探偵』が、9月3日にBlu-ray&DVD BOXとして帰ってきた。
本作は、元弁護士でワケありの経歴を持つ遺産相続専門探偵・灰江七生(赤楚衛二)が、個性豊かな仲間たちとともに、相続にまつわる事件をコミカルに、痛快に、時に大真面目に解決していくヒューマンミステリーだ。『ケイゾク』(TBS系)、『SPEC~警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿~』(TBS系)などの大ヒットドラマを生み出した脚本家・西荻弓絵が描くニューヒーローに魅了された人も多いのではないだろうか。
灰江は鋭い嗅覚で相続トラブルの匂いを嗅ぎつける、人呼んで“ハイエナ”。飄々としていて掴みどころがなく、考え事をするときにはコーヒー豆を直接食べるという変わり者だ。それでいて「死人に口なし」を決して許さず、遺言書に込められた故人の思いを正しく明らかにして残された人々との絆を繋ぐ信念の強さ、仲間思いで人情味溢れるキャラクターが、赤楚の多面的な演技によって鮮やかに表現されていた。
灰江に負けず劣らず個性的だったのが、探偵事務所の仲間たちだ。灰江のアシスタントで、休学中の医大生・三富令子(桜田ひより)はキュートな見た目とは裏腹に意外にも肉体派。本作で桜田ひよりは軽やかな身のこなしでアクションシーンを披露し、バイクを颯爽と乗りこなすなど、今までとは異なる一面を見せている。
一方、元警視庁科捜研のエースである朝永秀樹(矢本悠馬)は科学的なアプローチで事件解決に大健闘。しかし、とにかく声が小さいのと惚れっぽいのが玉に瑕で、灰江とはまたベクトルが異なる変人キャラを若手屈指の名バイプレイヤーである矢本悠馬がユーモアに好演した。
「相続」という誰にとっても身近でありながら、少々とっつきにくいテーマを緩和していたのが、そんなクセの強い3人のコミカルなかけ合いだ。Blu-ray&DVD BOXに収録されている映像特典のメイキングでは、赤楚たちが本編に負けないくらい楽しげなやりとりを繰り広げている。
赤楚はとにかく矢本の演技がツボだったようで、涙目になってしまう場面も。さらに撮影が中盤になると、友達の口調が移るように、矢本のセリフ回しに引っ張られて赤楚の芝居が濃くなってしまうのが面白い。「長い関係性だからしょうがないのかな」と言いつつ、「悔しい……」と思わずこぼす赤楚に、矢本は「近くにいる人が真似したくなるような役になってくれてよかった」と語っていた。
同世代の赤楚と矢本に対して桜田は2人よりも10歳ほど年下だが、年齢差を感じさせないほど、その場に馴染んでいる。撮影に使われた和菓子が本当に美味しかったようで、カットがかかってからも無心で食べ続けていた桜田。赤楚に「これ何系って言うのかなこれ」と和菓子の種類を聞かれたのも耳に入らず、「めっちゃ無視するじゃん(笑)」とツッコまれていた。そんな3人の気の置けないムードがドラマにも反映されていたのだろう。





















