『ぼくほし』『しあわせな結婚』で頻出 『銀河鉄道の夜』の要素が意味するものは?

『しあわせな結婚』のヒロインの名は、ネルラ。『銀河鉄道の夜』でジョバンニと行動をともにするカンパネルラから採っている。『しあわせな結婚』は“マリッジ・サスペンス”を謳うドラマだ。得体の知れない建てつけと童話の世界観は親和性が高い。
松たか子演じるネルラは独身貴族の弁護士・幸太郎(阿部サダヲ)をいとも簡単に籠絡し、愛の巣では食べかすを気にせずクロワッサンにかぶりつき、股関節を痛めて足をふらつかせながら歩く――ミステリアスな人物造形も童話の登場人物と思えば腑に落ちる。

物語の軸となる、ネルラの婚約者が謎の死を遂げた15年前の事件。再捜査が始まったその事件で出頭してきたのは叔父の考(岡部たかし)だが、じつは弟のレオ(板垣李光人)による犯行だった。考はレオを守ろうとしたのだ。良かれと思って真相を突き止めた幸太郎はしかし、「あなたと出会って、すべてが壊れた」と大粒の涙をこぼすネルラに別れを切り出される。
事態は収束したかに見えたが、次週の予告によればネルラは失踪し、こんな置き手紙を残す。「事件の始まりは、もうひとつの秘密がありました」。ネルラの過去は、いまだ完全には白へ裏返っていなかった――というのがクライマックスの筋書きだ。

カンパネルラと同じ運命をたどるなら、ネルラを待っているのは死、となる。カンパネルラは友達を助けようとして川に消える。ネルラもまた、誰かのために我が身をなげうつのか。そして、『しあわせな結婚』というタイトルはどのように回収されるのか――。
2026年は賢治生誕130周年に当たる。記念すべき年を控える今夏にふさわしい、いずれ劣らぬドラマだった。煌めく星空を見上げつつ、健治とネルラに“ほんとうのさいわい”が訪れることを願いたい。最終回は、もう間もなく。
何事にも臆病で不器用な主人公が、共学化で揺れる私立高校にスクールロイヤー(学校弁護士)として派遣されることになり、法律や校則では簡単に解決できない若者たちの青春に、必死に向き合っていく学園ヒューマンドラマ。
■放送情報
『僕達はまだその星の校則を知らない』
カンテレ・フジテレビ系にて、毎週月曜22:00~放送
出演:磯村勇斗、堀田真由、平岩紙、市川実和子、日高由起刀、南琴奈、日向亘、中野有紗、月島琉衣、近藤華、越山敬達、菊地姫奈、のせりん、北里琉、栄莉弥、淵上泰史、許豊凡(INI)、坂井真紀、尾美としのり、木野花、光石研、稲垣吾郎
脚本:大森美香
音楽:Benjamin Bedoussac
主題歌:ヨルシカ「修羅」(Polydor Records)
監督:山口健人、高橋名月、稲留武
プロデューサー:岡光寛子(カンテレ)、白石裕菜(ホリプロ)
制作協力:ホリプロ
制作著作:カンテレ
©︎カンテレ
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木曜ドラマ『しあわせな結婚』
テレビ朝日系にて、毎週木曜21:00~21:54放送
出演:阿部サダヲ、松たか子、板垣李光人、段田安則、岡部たかし、玉置玲央、金田哲、馬場徹、辻凪子、堀内敬子、小松和重、杉野遥亮
脚本:大石静
監督:黒崎博、星野和成、楢木野礼
ゼネラルプロデューサー:中川慎子(テレビ朝日)
プロデューサー:田中真由子(テレビ朝日)、山形亮介(テレビ朝日)、森田美桜(AOI Pro.)、大古場栄一(AOI Pro.)
音楽:世武裕子
主題歌:Oasis「Don’t Look Back In Anger」(Sony Music Labels Inc.)
制作協力:AOI Pro.
制作著作:テレビ朝日
©テレビ朝日
公式サイト:https://www.tv-asahi.co.jp/shiawasena-kekkon/
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