『鬼滅の刃 無限城編』各国の入場者特典が豪華すぎ! 世界席巻の壁は中国市場への展開か

『鬼滅の刃 』各国の入場者特典が豪華すぎ!

 公開直後から各地の劇場で満席が続出し、社会現象的な盛り上がりを見せている『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』(以下、『無限城編 第一章』)。

 7月18日に日本で公開がスタートした後、アジア圏を中心に8月から海外でも公開が始まり、9月12日にはアメリカとカナダでの上映もスタートする本作。本編の映像美や声優の演技はもちろんのこと、話題をさらっているのが恒例となった入場者特典だ。

 日本では、来場御礼入場者特典の第4弾として8月30日から「スペシャルインタビューブック」が配布され、同時期にはMX4D/4DX限定の「4Dビジュアルオリジナルステッカー」も登場。SNSでは「両方欲しいけれど、どちらを観に行くか迷う」との声が相次いでいる。作品そのものの熱気に加え、入場者特典を集める楽しみも含めて、公開期間全体がひとつの大きなイベントとして盛り上がりを見せているところだ。

 海外の特典で意外だったのは、A3サイズのポスターを特典にしている劇場が多いことだ。

韓国の劇場で配布されているポスター特典

 台湾では特別なレーザー箔加工を施した「映画ビジュアルコレクションカード」のほか、4DX、MX4D、D-BOX限定で、第1弾では猗窩座の顔、第2弾では炭治郎・義勇のIMAX描き下ろしのA3サイズのポスターが登場。また香港のIMAXとDolby Cinemaでもキービジュアルポスターが特典となっている。ステッカーやポストカードサイズの特典の配布はよく見るが、ポスターの特典は日本ではなかなか珍しいのではないだろうか。

 実際、タイでも胡蝶しのぶと童磨のキービジュアルポスターをもらったという報告があり、SNSではファンが各国の特典を比較して「あの国のが羨ましい」と語り合う光景も広がっている。

 また違ったアプローチを見せているのが、韓国の「PETスタンド」。アクリルスタンドより簡素な作りではあるものの、柱と炭治郎が勢ぞろいした全員集合ビジュアルで、ファンの満足度は十分高そうだ。机の上や本棚に置くたびに、映画の興奮を思い出せるのは嬉しいポイントでもある。

 
 
 
 
 
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 ちなみに韓国では、PETスタンドとは異なる集合ビジュアルを使用したオリジナル映画チケットも入手できる。竈門炭治郎の技「ヒノカミ神楽」をモチーフにした「ヒノカミ神楽ポップコーン」も販売され、赤い炎をポップコーンの粒で表現するという遊び心あふれる一品は気になるところ。また、日本では見かけなかった折り畳み扇子などのオリジナルグッズも販売されており、韓国独自の商品が目を引く。

 一方、シンガポール、マレーシア、パキスタンの「キービジュアル・トレーディングカード」は、チケット2枚購入でランダム配布という仕組み。複数種類のカードを前にすれば、ついつい全種類集めたくなってしまうのがファン心理だろう。

 
 
 
 
 
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 こうした巧妙な特典戦略の効果もあってか、海外興行も絶好調の滑り出しを見せている。アジア各国での公開が順次スタートし、インドネシア、香港、マレーシア、タイ、ベトナムではいずれも300万ドル超の興行収入を達成。現在80以上の国と地域での上映が決定しており、今後は北米・南米・欧州へと海外展開の波はさらに広がっていく予定だ。

 一方で、本作の世界展開において唯一の難題となっているのが中国市場だ。実は過去の『無限列車編』でも、中国本土での上映は叶わなかった。問題となっているのが、作品に含まれる暴力・流血描写である。キャラクターが負傷しながら激闘を繰り広げるシーンなどが削除されれば、上映時間の短縮はもちろん、物語の核心部分まで損なわれてしまう恐れがある。さまざまな観点から、配給側が慎重な姿勢を取らざるを得ないのも理解できるところだ。

 それでも、そうした一部の制約を差し引いても、海外での『鬼滅の刃』フィーバーは止まる気配がない。実際、SNSには「他の国の特典が羨ましい」「特典コンプリートのためにもう一度観に行く」といった投稿が連日のように並び、観客自身が自然とプロモーターとなって作品の魅力を広めている。しばらくはこの“鬼滅旋風”が各国でさらに加速していきそうだ。

■公開情報
『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』
全国公開中
キャスト:花江夏樹(竈門炭治郎役)、鬼頭明里(竈門禰󠄀豆子役)、下野紘(我妻善逸役)、松岡禎丞(嘴平伊之助役)、上田麗奈(栗花落カナヲ役)、岡本信彦(不死川玄弥役)、櫻井孝宏(冨岡義勇役)、小西克幸(宇髄天元役)、河西健吾(時透無一郎役)、早見沙織(胡蝶しのぶ役)、花澤香菜(甘露寺蜜璃役)、鈴村健一(伊黒小芭内役)、関智一(不死川実弥役)、杉田智和(悲鳴嶼行冥役)、石田彰(猗窩座役)
原作:吾峠呼世晴(集英社ジャンプ コミックス刊)
監督:外崎春雄
キャラクターデザイン・総作画監督:松島晃
脚本制作:ufotable
サブキャラクターデザイン:佐藤美幸、梶山庸子、菊池美花
プロップデザイン:小山将治
美術監督:矢中勝、樺澤侑里
美術監修:衛藤功二
撮影監督:寺尾優一
3D監督:西脇一樹
色彩設計:大前祐子
編集:神野学
音楽:梶浦由記、椎名豪
主題歌:Aimer「太陽が昇らない世界」(SACRA MUSIC / Sony Music Labels Inc.)・LiSA「残酷な夜に輝け」 (SACRA MUSIC / Sony Music Labels Inc.)
総監督:近藤光
アニメーション制作:ufotable
配給:東宝・アニプレックス
©︎吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
IMAX® is a registered trademark of IMAX Corporation.
公式サイト:https://kimetsu.com/anime/mugenjyohen_movie/
公式X(旧Twitter):@kimetsu_off

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