スモーカーに巨人のブロギーも“完璧以上”の実写化に Netflix『ONE PIECE』S2初映像を分析

実写『ONE PIECE』S2の映像を分析

 漫画やアニメのキャラクターたちの特長をしっかり生かしつつ、実在しても不思議ではない雰囲気に仕立て上げてきたドラマ版『ONE PIECE』の技は、巨人たちやCGIのチョッパーに限らず、シーズン2から登場の新しいキャラクターたちにもしっかりと使われているようだ。例えばスモーカー。ゴツい顔立ちまでそっくりなカラム・カーが、練習の成果を生かして2本の葉巻をしっかりと口にくわえた姿はスモーカー以外の何者でもない。

 ルフィと同様にスモーカーも悪魔も実の能力者で、人間離れした姿に変化することになる。お披露目された映像にはまだそうしたスモーカーの戦闘シーンは描かれていなかったが、「バラバラの実」の能力者でバラバラに切り離されても動き回る海賊バギーを実在するかのように描いた技術で、しっかりと再現してくれるだろう。そんなバギーと共にローグタウンに現れることになるアルビダも、お披露目された映像にはしっかりと登場していたが、シーズン1とのあまりの違いに気づかなかった人もいるかもしれない。ハリウッドならではの特殊メイクの凄さを、逆の意味で感じ取れるはずだ。

 レラ・アボヴァが演じるミス・オールサンデーは妖艶で眼差しも鋭く、一瞬の登場ながら強烈な存在感を放っていた。ミス・ウェンズデーもチャリスラ・チャンドランが髪を青くした姿で武器を放って何者だといった興味を誘っていた。改めて完璧以上のキャラクターの再現度を見せてくれるドラマ版『ONE PIECE』なら、キャムラス・ジョンソンが演じるMr.5もデヴィッド・ダストマルチャンが演じるMr.3も、期待を大きく超えてくる再現度で、それぞれの特別な技を見せながら麦わらの一味の前に立ちふさがってくれるだろう。

 配役が発表されている以上は、ジョー・マンガニエロによるMr.0の登場もありそうだ。TVアニメでは大友龍三郎が演じた低くて太くて恐ろしい声を、マンガニエロもしっかり引き継ぎ凄みある演技を見せてくれるのか。スモーカーとも共通する悪魔の実による人間離れした戦いぶりをどのように実写の中で表現するのか。今から興味が尽きない。

 そうした物語の途中で、ラブーンという名の巨大なクジラとの出会いが描かれる。チョッパーとはまた違ったかわいらしさを持ち、壮大なストーリーのところどころで絡んでくる重要なキャラクターだけに、CGI技術による巨大なクジラの再現度とは別にドラマの方もしっかりと見極め、ルフィたち麦わらの一味がそこから繰り広げることになる壮大で壮絶な冒険への思いを馳せよう。

■配信情報
Netflixシリーズ『ONE PIECE』シーズン2
2026年世界独占配信
出演:イニャキ・ゴドイ(モンキー・D・ルフィ役)、新田真剣佑(ロロノア・ゾロ役)、エミリー・ラッド(ナミ役)、ジェイコブ・ロメロ(ウソップ役)、タズ・スカイラー(サンジ役)、イリア・アイソレリス・ポーリーノ(アルビダ役)、ジェフ・ウォード(バギー役)、マイケル・ドーマン(ゴールド・ロジャー役)
共同ショーランナー/脚本家/製作総指揮:マット・オーウェンズ&ジョー・トラッツ
エグゼクティブ・プロデューサー:尾田栄一郎、マーティ・アデルスタイン、ベッキー・クレメンツ(トゥモロー・スタジオ)、藤村哲哉、クリス・シムズ、スティーヴン・マエダ
©尾田栄一郎/集英社

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