原作小ネタから伏線まで　『ファンタスティック4：ファースト・ステップ』ネタバレ全開解説

幻の映画版オリジナルメンバーが登場!!!

　ファンの間で話題になったのは、『ファンタスティック4』にTVのニュースキャスター役でアレックス・ハイド＝ホワイト、レベッカ・スターブ、発電所で働くスタッフ役でジェイ・アンダーウッド、マイケル・ベイリー・スミスという役者さんがカメオ出演していること。

　実は彼らは製作されたけど劇場公開されなかった、いわくつきの『ファンタスティック・フォー』（1994年“ロジャー・コーマンのファンタスティック・フォー”とも言われる）で、リード（アレックス・ハイド＝ホワイト）、スー（レベッカ・スターブ）、ベン（マイケル・ベイリー・スミス）、ジョニー（ジェイ・アンダーウッド）だった4人なのです！

リードはワンダーウーマンと戦った？　ベンはパニッシャーの仲間？

　『ファンタスティック4』でリード役を演じたペドロ・パスカルは、『ワンダーウーマン1984』 でワンダーウーマンと対峙するマクスウェル・ロード役を演じました。

　また、ベン役のエボン・モス＝バクラックは、ドラマ版『パニッシャー』で、パニッシャーに協力するデビッド・リーバーマン／マイクロ役を演じています。

あのセリフ、そしてハービー

　劇中、みんながベンにある言葉を言わせようとします。コミックでのベンは戦いを前に自身を鼓舞するために「IT'S CLOBBERIN' TIME!」と叫ぶ。“さあ、お前をぶちのめす時間だ”！みたいな意味です。

　『ファンタスティック・フォー』が1960年代にTVアニメ化（邦題『宇宙忍者ゴームズ』）された時に、この「IT’S CLOBBERIN' TIME!」には、なぜか“ムッシュムラムラ”という訳語（？）が割り振られました。これは、この時のベン（日本ではガンロックというネーミングになっていた）の声を担当していた関敬六さんというコメディアンの方が、自分の持ちネタをアドリブで被せたのが始まりだとか。

　アニメといえば、ハービーはコミックではなく、もともと1978年の新しい『ファンタスティック・フォー』のアニメに登場したキャラです（このアニメは日本では地上波では放送されていないと思います）。このアニメでは諸般の事情でジョニー／ヒューマン・トーチを登場させられなかったので、4人目のメンバーとしてハービーが活躍します。

予告編を見誤った2つの要素

　今回、予告編の段階で筆者が予測していたこととは実際に違ったことを書きます。

　まず、予告に出てくるパリとかにある巨大な装置ですが、筆者はギャラクタスが惑星を食べる時に使う、コミックに出てくる“エレメンタル・コンバーター”だと思っていましたが、これはリードが地球を救うために使った次元転送装置“ザ・ブリッジ”でした。

　また、ベンの髭が伸びているのはなんらかの時間旅行的な要素が出てきて、時が経つことを伝える表現と思っていたのですが、単に電力が不足して剃れなかっただけでしたね（笑）。

　このザ・ブリッジで次元を超えるというのが、アース828のファンタスティック4のメンバーがアース616に来る複線かもしれません。

なぜ顔を見せるのか、触らせるのか？

　これは絶対出てくると思いましたが（笑）、『アベンジャーズ／ドゥームズデイ』に向けて、ドクター・ドゥームが登場。顔は見せませんが、ロバート・ダウニー・Jr.が演じ、このシーンの演出は次作を監督するルッソ兄弟が手がけているようです。

　ここでポイントは、なぜドクター・ドゥームはわざわざ仮面を外し、フランクリンに顔を触らせているかです。コミックでは、ドクター・ドゥームは顔にひどい傷を負っています。それをフランクリンに治させている？　そしてロバート・ダウニー・Jr.の顔になる!?　ここは気になりますね。

『ワンダヴィジョン』とのリンク

　最後に、海外のファンが指摘しながら、筆者がどうしても見つけられない小ネタを書いていきます。今回の『ファンタスティック4』の監督はマーベルのドラマシリーズ『ワンダヴィジョン』も手がけたマット・シャクマンです。そして劇中、『ワンダヴィジョン』のドラマの舞台になったウェストビュー（WESTVIEW）にちなんだ看板が出てくるらしいのです。これをもう一度確認するため、『ファンタスティック4』を観る予定です。

　以上です。筆者はコミックで夢中になったギャラクタスがイメージ通リで、スーとリードの会話もすごく好きで大満足でした。“この家族”にまた何度でも会いたいと思います。

■公開情報
『ファンタスティック4：ファースト・ステップ』
全国公開中
出演：ペドロ・パスカル、ヴァネッサ・カービー、ジョセフ・クイン、エボン・モス＝バクラック
日本版声優：子安武人（リード・リチャーズ／ミスター・ファンタスティック役）、坂本真綾（スー・ストーム／インビジブル・ウーマン役）、林勇（ジョニー・ストーム／ヒューマン・トーチ役）、岩崎正寛（ベン・グリム／ザ・シング役）、楠大典（ギャラクタス役）、上田麗奈（シルバーサーファー役）
監督：マット・シャクマン
配給：ウォルト・ディズニー・ジャパン
© 2025 20th Century Studios / © and ™ 2025 MARVEL.
公式サイト：https://marvel.disney.co.jp/movie/fantastic4