松田凌、平埜生成、見津賢らが江戸川乱歩作品に挑む 『RAMPO WORLD』3作連続公開へ

松田凌、平埜生成らが江戸川乱歩作品に挑む

 江戸川乱歩没後60周年記念作品『RAMPO WORLD』として、『3つのグノシエンヌ』、『蟲』、『白昼夢』の3作品が、10月3日より2週間ずつ順次公開されることが決定した。

 本格推理小説や怪奇・幻想小説の祖として後世に名を残した作家・江戸川乱歩。2025年7月28日に没後60年を迎える。そんな江戸川乱歩没後60周年記念作品となる『RAMPO WORLD』では、乱歩の作品を原案に、時代設定を現代に変えて物語が展開される。

 『3つのグノシエンヌ』は、1925年に発表された短編小説『一人二役』が原案。1人の男が妻の気を惹くために別人になりすまし、妻の反応を楽しむ様子が描かれる。主演を務めるのは、松田凌。共演には、安野澄、岩男海史、前迫莉亜が名を連ねる。監督・脚本・編集を『うみべの女の子』のウエダアツシが務める。

 『蟲』は、1929年に雑誌『改造』にて発表された中編小説の『蟲』が原案。対人恐怖症の青年が初恋の相手に再会し初恋を再熱させ愛憎劇へと展開していく、人間の深い闇が猟奇的かつ幻想的に描かれ数多い乱歩作品の中でも問題作と言われる作品だ。主演を務めるのは、本作が映画初主演となる平埜生成。共演には、佐藤里菜、木口健太、北原帆夏、山田キヌヲが名を連ねる。監督・脚本は、『餓鬼が笑う』、『サーチライト-遊星散歩-』などの平波亘が担当する。

 『白昼夢』は、主人公の男が妻を殺し、その遺体を蝋人形として飾っていると告白する、夢と現実の境界が曖昧な物語『白昼夢』(1925年『新青年』掲載)と、湖畔の旅館の大浴場に“のぞき装置”を設置した主人公が、そこで起きた殺人事件の一部始終を目撃するも、死体が忽然と姿を消すという謎を描いた『湖畔亭事件』(1926年『サンデー毎日』連載)の2作に脚色を加え、1つの作品として現代に新たに蘇らせた作品。主演を務めるのは、本作が映画初主演となる見津賢。共演には、上脇結友、宮田佳典が名を連ねる。監督は『ダラダラ』『心平、』などの山城達郎、脚本は『相棒』(テレビ朝日系)、『特捜9』(テレビ朝日系)などの川﨑龍太が担当する。

 また、『3つのグノシエンヌ』で主演を務めた松田、監督・脚本・編集を務めたウエダ、『蟲』で主演を務めた平埜、監督の平波、『白昼夢』で主演を務めた見津、監督の山城からコメントが到着した。

コメント

松田凌(『3つのグノシエンヌ』主演)

違う誰かになりたい
誰しも一度は考えたことがあるように
江戸川乱歩の生み出した少し窪んだ世界はどこか知っている場所でもありました
近からず遠からず、すぐ隣にあることのようで食べ物は喉を通らなくて
まごついている自分を監督に導いていただいて
撮影スタッフの皆さんと共演者の皆さんと
この映像をつくりました
自分もその一人として参加させていただいて
撮り終えた時、もっと撮ってもらいたいと
より映画が好きになったのを鮮明に憶えています
屈折しえぐみのある時間が皆様の目と心にはどう映るんだろう
江戸川乱歩の世界をより知っていただけるきっかけの一つになれたら幸いです
頭を開いて
ゆっくりと

ウエダアツシ (『3つのグノシエンヌ』監督・脚本・編集)

学生の頃に『江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間』(石井輝男監督)をはじめ、『D 坂の殺人事件』(実相寺昭雄監督)や『双生児-GEMINI-』(塚本晋也監督))など、乱歩原作の傑作映画には大きな影響を受けましたので、本企画に参加できたことは光栄な限りです。今回原案とした『一人二役』はちょうど100年前に書かれた短編小説です。この100年で社会は大きく変わりましたが、乱歩が描いた“人間の本質”は変わらない...というか、むしろその狂気性や欲望の類いは多様化とともに個人化が進む現代において、新たなリアリティを生み出しているようにさえ思えます。そんな乱歩の世界観を松田凌、安野澄、岩男海史、前迫莉亜という4名の素晴らしい個性をもつ俳優たちが見事に体現してくれました。とてもシリアスで、とても滑稽で、とてもイビツな“愛の奇談”をぜひ映画館でお愉しみください。

平埜生成(『蟲』主演)

平埜生成

初めての主演映画で凄まじい作品と出会うことが出来ました。俳優として、これほど幸せなことはありません。この作品は、『蟲』というタイトルからは想像つかないほどの「愛(アイ)」が詰まっています。究極のラブ・ストーリーといってもいい。また、乱歩への愛、映画への愛、人間への愛にあふれています。なにより、平波監督の愛に満ちています!
のぼせるほどアツい撮影でした。必死でした。夢中でした。がむしゃらでした。キャスト・スタッフの烈しいエネルギーが凝縮されています。強烈です。毒々しいです。艶やかです。そして、やっぱり愛おしいです。
この「愛(AI)」の物語が、たくさんの方の胸をつき抜きますように!

平波亘 (『蟲』監督・脚本)

『蟲』という映画をつくりました。
このお話をいただいた時、小学校時代に図書館で初めて借りた書籍が江戸川乱歩だったことを、鮮明に思い出しました。
脚本化するにあたって、ひさびさに読んだ乱歩の世界は、そこに生きる人たちの倒錯的な愛や歪んだ欲望が、現代社会に棲む私たちの生態がそのまま映し出されているようでした。そうです。ようやく時代が乱歩に追いつきつつあるのです。
この映画は、理不尽な世界に翻弄されながら、叶わぬ愛を届けようとする愚かものたちの想いを、本当に素敵な役者とスタッフで可視化することを目指しました。結果、自分の想像を遥かに超えたとても可愛くてポップな映画になったと思います。ぜひ、劇場でお楽しみください!

見津賢(『白昼夢』主演)

見津賢

本作で主演を務めました見津賢です。
はじめて脚本を読ませていただいた時に、面白い題材で、観る人はどんな印象を抱くんだろうかと予想ができない危うさみたいなものを感じました。そこから主人公や作品について山城監督達と話し合いながらブラッシュアップをしていきました。実際に撮影を終えてもはっきりとした答えは出ないままでした。でもそれが乱歩の世界観に近いのかと気付かされたのです。乱歩二作品の題材を織り交ぜ現代に落とし込んだこの『白昼夢』で起こる化学反応のような何かを、観た皆さんがどう感じるのか、まるで非現実なることが起こる夢の中にいる感覚を味わっていただけるのではないでしょうか。

山城達郎 (『白昼夢』監督) コメント

「あれは白昼の悪夢だったのか、それとも現実の出来事だったのか。」
江戸川乱歩の『白昼夢』は、この印象的な一文から始まります。わずか数ページの“掌握小説”でありながら、乱歩独特の妖しさと不穏さが凝縮された作品です。今回、映画化するにあたり、『白昼夢』の世界観に、長編小説『湖畔亭事件』の“覗くことに執着する男”という人物を組み合わせ、主人公の内面に深く踏み込みながら、現代を舞台に再構築しました。
乱歩が描いた人間の“性(さが)”は、100 年経った今もなお強烈で、鋭く私たちの心に刺さります。見津賢さん、上脇結友さん、宮田佳典さんという魅力的な俳優陣と共に、“覗く男”と“覗かれる夫婦”という特殊な関係性の人物たちを丁寧に掘り下げていきました。
その先にある真実は果たして――「白昼の悪夢か、現実か」 ぜひ劇場でお確かめください。

松田凌
安野澄
岩男海史
前迫莉愛
見津賢
上脇結友
宮田佳典
平埜生成
佐藤里菜
木口健太
北原帆夏
山田キヌヲ
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■公開情報
『3つのグノシエンヌ』
10月3日(金) シネマート新宿、池袋シネマ・ロサほかロードショー
出演:松田凌、安野澄、岩男海史、前迫莉亜
監督・脚本・編集:ウエダアツシ
原案:江戸川乱歩『一人二役』
©2025「3つのグノシエンヌ」パートナーズ
公式サイト:gnossiennes-movie.com

『蟲』
10月17日(金)シネマート新宿、池袋シネマ・ロサほかロードショー
出演:平埜生成、佐藤里菜、木口健太、北原帆夏 、山田キヌヲ、細川佳央、橋野純平、中山求一郎
監督・脚本:平波亘
原案:江戸川乱歩『蟲』
©2025「蟲」パートナーズ
公式サイト:mushi-movie.com

『白昼夢』
10月31日シネマート新宿、池袋シネマ・ロサほかロードショー
出演:見津賢、上脇結友、宮田佳典、ほたる、川瀬陽太、佐々江天真、月石しのぶ、前田龍平、田川恵美子、小川沙羅、小野寛幸、大迫一平
監督:山城達郎
脚本:川﨑龍太
原案:江戸川乱歩『白昼夢』『湖畔亭事件』
©2025「白昼夢」パートナーズ
公式サイト:hakuchumu-movie.com

配給:アルバトロス・フィルム
公式X(旧Twitter):@BungoNtr 

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