広瀬すず&二階堂ふみがレトロな装いに身を包む 『遠い山なみの光』新場面写真公開

9月5日に公開される広瀬すず主演映画『遠い山なみの光』の新場面写真が公開された。
日本、イギリス、ポーランド合作の3カ国共同製作となる本作は、『私を離さないで』などで知られるノーベル文学賞受賞作家カズオ・イシグロのデビュー作を、『ある男』で第46回日本アカデミー賞最優秀作品賞を含む最多9部門受賞を果たした石川慶監督が映画化したヒューマンミステリー。第78回カンヌ国際映画祭では、ある視点部門に正式出品された。
主人公の悦子を広瀬、悦子が長崎にいた頃に出会う、謎めいた女性であり幼い娘と暮らす佐知子役を二階堂ふみ、悦子が長崎を離れイギリスで暮らす1980年代の姿を吉田羊がそれぞれ演じる。さらに、悦子の夫で、傷痍軍人の二郎役で松下洸平、二郎の父であり、かつて悦子が勤務していた学校の校長でもある緒方役で三浦友和が出演する。そのほか、日本パートに柴田理恵、渡辺大知、鈴木碧桜が出演し、イギリスパートではオーディションで選ばれたカミラ・アイコが悦子の娘ニキ役を演じている。
公開された場面写真では、1950年代、戦後復興期の活気溢れる長崎で夫と共に暮らしている主人公の悦子(広瀬すず)が出会った、どこかミステリアスで凛とした強さを放つ佐知子(二階堂ふみ)と、その幼い娘の万里子が捉えられている。時代を感じさせるレトロな街並みの中、万里子が夏祭りの射的で当てた一等賞を手にし、嬉しそうに歩く3人のリラックスした笑顔を浮かべるカットや、ひときわ華やかなスカーフを首に巻いたモダンな装いで佇み、悦子と万里子を静かに見つめる佐知子の意味ありげな表情を捉えた場面も。
さらに楽しげな夏祭りとは打って変わり、佐知子の家で神妙な面持ちを浮かべて話す悦子と佐知子の姿は、2人のただならぬ雰囲気を感じさせる。また綺麗な和服を装い、出先で何かを気にするかの様に上に眼差しを向ける悦子の姿や、街で日傘をさし幸せそうに微笑むカット、さらに佐知子が青いバンダナを頭に巻いて働き真剣な表情を浮かべて何かを見つめる姿や、万里子の腕に何かを見つけ驚いたような表情を見せる悦子など、この時代を懸命に生き抜く2人の女性の姿が切り取られている。
石川監督はキャスティングに関して、最もこだわったのは“当事者性”であると明かした。そのため、長崎パートの悦子役は20代後半の女性である必要があり、その世代の俳優の中で圧倒的に傑出しており、さらに企画全体の重心になるような求心力を持つ存在として、広瀬の名前が真っ先に挙がったそうだ。石川がその気持ちを手紙に綴り、受け取った広瀬から快諾を得たという。撮影現場での広瀬について、石川は「これだけ周りに存在感と演技力を兼ね備えた役者さんが揃っていると、少し埋もれてしまったり、もしくは埋もれないように力が入ったりするものだと思うのですが、広瀬さんは本当にベテランのようなオーラを放って、中心にいらっしゃった。焦ることもなく、引くところは引いて、最終的には強い印象を残す。すごい方だと感服しました」と絶賛。
広瀬と誰の“対決”が観たいかという観点からキャスティングが始まったのが、佐知子役の二階堂。石川監督は二階堂について、「二階堂さんは、佐知子という存在の“違和感”を芝居の中に落とし込んでくれました。声の質から佇まいまで、この映画に必要な佐知子の異質さは、脚本だけでも美術や衣装だけでも難しかった。やはり、二階堂さんが持ち込んでくださったものが大きかったと痛感しています」と語った。
広瀬と二階堂の共演について、福間美由紀プロデューサーは「キャスティングの時から、あの二人が並んだらどうなるのだろう、間違いなく異次元の反応が起きるだろうと、全員が期待していました。撮影中も、二人のツーショットの画の強さは圧巻でしたね」と振り返った。
■公開情報
『遠い山なみの光』
9月5日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
主演:広瀬すず、二階堂、吉田羊、カミラ・アイコ、柴田理恵、渡辺大知、鈴木碧桜、松下洸平、三浦友和
原作:カズオ・イシグロ/小野寺健訳『遠い山なみの光』(ハヤカワ文庫)
監督・脚本・編集:石川慶
製作幹事:U-NEXT
制作:分福/ザフール
共同制作:Number 9 Films、Lava Films
配給:ギャガ
助成:JLOX+文化庁 PFI
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