庄司浩平はなぜ役者を仕事に選んだのか 「つながっていると信じて、今やれることをやる」

庄司浩平はなぜ役者を仕事に選んだのか

役者を続けるのは「もっといい景色を見たいから」

――庄司さんは語学が堪能だったり、noteで小説を執筆されていたりと多彩ですが、その探求心はどこから来るのでしょう?

庄司:「知らないことが恥ずかしい」という思いもありますし、やってほしいと求められたときに「できません」「知りません」は、僕の立場では言っちゃいけないと思っているんです。もっと尖った才能があって、絵を描くだけで何億円稼げるようであれば話は別ですけどね。それに、語学をやっていればチャンスは増えるし、歴史を知っていればベテランの方々との会話もできる。英語も、最初はバスケの海外リーグを見たくて始めたけれど、今ではそのおかげでコミュニケーションが取れる人も増えました。もちろん利益ベースなところもありますが、探究した先にそれ以上の楽しさがあると思っています。

――小説については、自分の感情を吐き出す場所のようなイメージですか?

庄司:半分そうで、半分そうではないかな。人には、今しか覚えていないことってあると思うんです。バスケのことしか考えていなかった高校時代の気持ちや、仕事を始めた頃の気持ち。「10年前の悔しかった気持ちを思い出してください」と言われても薄れているし、シュートが1本決まっただけで圧倒的に高揚していたあの感覚も、すべては覚えていないんですよね。でも文字に閉じ込めてしまえば、そこで保存される。僕の感情はどこかに行っているけれど、それを誰かが好きなように読み取ってくれる。それは素敵なことだなと思うし、僕もそうやって物語や詩集に救われてきたので、「自分もやってみたいな」という単なる憧れです。

――ドラマは『40までにしたい10のこと』というタイトルですが、庄司さんは自分のやりたいこととどう向き合っていますか?

庄司:プライベートでは、やりたいことをやりたいようにやっています。時間とお金の都合もあるので世界一周とかはできませんけど、バスケをしたり、旅行をしたり、たまにはいいものを食べたり。でも、仕事においては自分のやりたいことと、求められることは往々にして乖離しているもので。最近は少しずつ合致するようになってきましたけど、そうじゃないこともたくさんあるので、今はあまり欲求を持ちすぎない。まずは求められていることに、きちんと向かっていこうと思っています。

――そのもどかしさは、どう解消している?

庄司:現実的になることです。もうひたすらリアリストになる。僕はいつかNBAの選手に取材するような仕事がしたいと思っていますけど、人気を得ていけば「お前にやらせてみるか」ということも起こりうるんです。でも、今はアンコントローラブルなので、気にしないようにしている感じですね。先がつながっていると信じて、今やれることをやる。夢も希望もなくて申し訳ないんですが(笑)。

――役者を始めて5年経ちますが、ご自身の中で変わったことはありますか?

庄司:オシャレをするようになりました(笑)。見られることへの意識がなかったので、大学も寝癖をつけて行っていたし、お母さんが選んでくれた服を着る、みたいな。モテたいとは思っていましたけど、そういうアプローチをまったくしていなかったんですよね。なので、そこの上り幅はかなりあるとは思いますが、依然としてカメラの前に立つのは苦手です。大変ありがたいし、嬉しいし、その機会が増えればいいなとは思っているけれど、やっぱり後ろの端っこがいいです(笑)。

――今でも苦手となると、庄司さんが役者を続ける理由とは?

庄司:もっといい景色を見たいから。そこはずっと変わらないです。風間さんもそうですが、以前、趣里さんとご一緒したときにはただただ大敗北を喫して。当時は何もわからないまま圧倒されていましたけど、今回はたしかに面白いと思える瞬間もあったんです。そうすると、「もっと別のことを知りたい」「やってみたい」という感情も湧いてきますよね。でも、将来的には“子どものためになればいいな”という思いが強いです。僕は子どもが大好きで、学生時代は子ども食堂でボランティアをしたりしていて。自分の地位や名声で大人を動かせるようになったら、子どものためになる行いをしたい。だから今は、売れるところまで行く、ということですね。

――説得力がすごくて、庄司さんの講演会を聞いているような気持ちになってきました(笑)。役者だけでなく、監督や脚本家、経営者といった未来もあるように感じますが。

庄司:各監督のお仕事を見ながら、これはあらゆる知識と経験とセンスが必要だぞ、と感じています。どこかのタイミングでそういった機会があれば嬉しいですけど、今はまだ役者としてもっと上を目指していきたいですね。ただ、僕には「作家先生と呼ばれたい」という夢がありまして。(肩をぶんぶんと回しながら)いつか、本は出版したいなと思っています。

『40までにしたい10のこと』の画像

ドラマ24「40までにしたい10のこと」

BLアワード2024総合コミック部門で1位を獲得したマミタの同名漫画を実写化したオフィスラブストーリー。40歳目前の枯れた上司・十条雀とアラサーのクールな高身長イケメン部下・田中慶司の恋模様を描き出す。

■放送情報
ドラマ24『40までにしたい10のこと』
テレビ東京ほかにて、毎週金曜24:12~24:42放送
BSテレ東にて、毎週火曜24:00~24:30放送
Lemino、U-NEXTにて、各話放送終了後第1話から最新話まで独占見放題配信
ネットもテレ東(テレ東HP、TVer、Lemino)にて見逃し配信
原作:マミタ『40までにしたい10のこと』(月刊マガジンビーボーイ連載/リブレ刊)
出演:風間俊介、庄司浩平、平井亜門、高山璃子、ワタナベケイスケ、三石琴乃(声の出演)、平子祐希(アルコ&ピース)
脚本:齊藤よう
監督:池田千尋、小菅規照
音楽:小山絵里奈
主題歌:Chevon「菫」(Chevon Records)
エンディングテーマ:the shes gone「まぼろし」(UK.PROJECT)
チーフプロデューサー:森田昇(テレビ東京)
プロデューサー:祖父江里奈(テレビ東京)、石神理奈(SDP)
制作:テレビ東京/SDP
製作著作:「40までにしたい10のこと」製作委員会
©マミタ・libre/「40までにしたい10のこと」製作委員会
公式サイト:https://www.tv-tokyo.co.jp/40madeni10/
公式X(旧Twitter):@40_10things_tx
公式Instagram:@40_10things_tx
公式TikTok:@40_10things_tx

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<応募締切>
8月1日(金)

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