『あなたを奪ったその日から』“紘海”北川景子を復讐に駆り立てるもの 因縁の相手と再会

 紘海の異変に気づいたのは美海で、中途採用の面接に向かう母に声を上げたのは、いつもの紘海にない不穏さを感じたからではないか。一緒に暮らしているうちに、美海は誰よりも紘海を知る人間になっていた。

 過去が追ってくるのか、過去から離れられないのか。紘海の場合は後者に見える。戸籍を変え、美海との生活を捨ててまで、因縁の相手のふところに飛び込む必要はない。灯の母であるという事実が、疑似親子ではない本来の母としての務めに紘海を引き戻したように見えた。美海が抵抗したのは、母である紘海が自分のもとを去っていくような感覚に襲われたからかもしれない。

 第1話から観ている視聴者なら誰もが抱く疑問が、なぜ結城は紘海の存在に気づかないのか、である。紘海がアレルギー事故の被害者家族であることは少し調べればわかるし、萌子がいなくなったとき、まっさきに疑われておかしくないのが紘海だ。離婚して苗字が変わったからと言ってスルーするのは不自然すぎるが、第4話を観たあとでは違う印象を受ける。

 結城は料理教室で会話した女性が紘海だと気づいており、その直後、望月(筒井道隆)に萌子の捜索を続けてほしいと頼んだ。紘海に娘がいることを確認してもいる。結城の中で、萌子と紘海が結びついたと考えるのは気が早いだろうか。事故の隠ぺいには、調理責任者の鷲尾(水澤紳吾)が関わっており、園長の雪子(原日出子)も紘海の秘密に気づいた。じわじわと包囲網が狭まりつつある。

あなたを奪ったその日から

サスペンスフルなストーリーの中で生まれる親子愛を描く物語。『アルジャーノンに花束を』(TBS系)、『砂の塔〜知りすぎた隣人』(TBS系)の池田奈津子が脚本を手がける。

■放送情報
『あなたを奪ったその日から』
カンテレ・フジテレビ系にて、毎週月曜22:00~22:54放送
出演:北川景子、仁村紗和、平祐奈、阿部亮平(Snow Man)、水澤紳吾、小川李奈、一色香澄、田山由起、内藤秀一郎、原日出子、鶴田真由、大浦龍宇一、中原丈雄、筒井道隆、大森南朋
脚本:池田奈津子
演出:松木創
企画:水野綾子
音楽:村松崇継
主題歌:back number「ブルーアンバー」(ユニバーサル シグマ)
プロデューサー:三方祐人
制作:カンテレ、共同テレビ
©︎カンテレ
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