『あんぱん』河合優実&細田佳央太の撮影裏をCPに聞く 「試写段階から号泣していました」
第28回、母・羽多子(江口のりこ)が「あの子は子どもの頃からずっと豪ちゃんのことが……」と語ったように、物語の序盤から蘭子が豪に恋心を抱いていることは明らかだったが、それまで具体的に豪が好きだと口にすることはなかった。
視聴者からも、蘭子を演じる河合優実の目線ひとつで豪への思いが汲み取れるとの声が上がっていたが、倉崎も「河合さんは目線一つで人の心を表現できる方」と絶賛。「たとえセリフがなかったとしても、蘭子が豪をちょっと見るだけで、すごく感じるものがありますよね。パン食い競走の受付のときにも、釜次が冗談で『(豪は)のぶと結婚したらどうや』と言ったときにも、やっぱり河合優実は只者じゃないなと。それは(河合が参加した)ヒロインオーディションのときから感じていました。とにかくどのシーンでもずっと見ていたくなるような人。5年先も10年先も20年先も楽しみな人です」と唸った。
ついに蘭子と豪の心が通じた第29回。倉崎は「2人きりで語る夜のシーンに関しては、我々も試写段階から涙していました」と明かし、「『あんぱん』では、『もう二度と戻ってこない“今”という時間をどう生きるか』をひとつの大きなテーマにしていて。それは現代にも続くテーマだと感じていて、僕自身、ずっとそういうものを描きたかったんです。そして、その象徴の一つがやはりあのシーンですよね。豪が出征しなければならず、帰って来られるかどうかわからない。一旦は2人にとって最後の時間になるので、演出陣含め大事なシーンに位置づけていました」と振り返る。
さらには「細田さんと河合さんの芝居を観たときに、本当にこの2人だからできた距離感であり、出来上がったシーンだなと思いました。彼らの佇まい、表情、一つ一つの仕草から“その瞬間にしかない、あの時間”を、役を通して生きているのが伝わってきて。1億2000万人に観ていただきたいシーンですし、非常に手応えを感じました」と熱を込めた。
長い時間をかけて互いの想いを打ち明けた蘭子と豪。戦時下のつらい別れを経て、2人が結婚の約束を果たせる日が来ることを願わずにはいられない。
■放送情報
2025年度前期 NHK連続テレビ小説『あんぱん』
NHK総合にて、毎週月曜から金曜8:00〜8:15放送/毎週月曜〜金曜12:45〜13:00再放送
BSプレミアムにて、毎週月曜から金曜7:30〜7:45放送/毎週土曜8:15〜9:30再放送
BS4Kにて、毎週月曜から金曜7:30〜7:45放送/毎週土曜10:15~11:30再放送
出演:今田美桜、北村匠海、加瀬亮、江口のりこ、河合優実、原菜乃華、細田佳央太、高橋文哉、中沢元紀、大森元貴、二宮和也、戸田菜穂、浅田美代子、吉田鋼太郎、竹野内豊、妻夫木聡、阿部サダヲ、松嶋菜々子
音楽:井筒昭雄
主題歌:RADWIMPS「賜物」
語り:林田理沙アナウンサー
制作統括:倉崎憲
プロデューサー:中村周祐、舩田遼介、川口俊介
演出:柳川強、橋爪紳一朗、野口雄大、佐原裕貴、尾崎達哉
写真提供=NHK