『いつか、ヒーロー』のスリリングな展開から目が離せない 若王子と氷室の“歪んだ正義”

 そして、「希望の道」に通っていたゆかり(長濱ねる)らに執着している理由も、少しずつではあるが分かってきた。おそらく、あの時の彼女たちは、若王子の“何か”を見てしまったのだろう。だから、若王子はクマを殺すたとえ話をしながら、「怖いよね。あのつぶらな瞳で、殺す前にじーっと見られたらさ、怖いよね」と言っていたのかもしれない。

 また、第5話では、赤山のもうひとつの顔も明らかになった。十和子は、赤山のことを「悪魔」「人殺し」と言っていたが、2人の関係性は義理の兄妹。かつて、赤山は十和子の姉と結婚をしていたらしい。十和子によると、「赤山がその姉を殺した」ということだが、それが事実なら赤山と普通に会話をしたりするだろうか。直接手を下したわけではないが……というドラマあるあるの比喩な気がする。

 ちなみに、赤山は天才ファンドマネージャーだった過去もあるらしい。そして、金も身寄りもない赤山を自らの家に住まわせ、何かと面倒を見てくれてきた大原(でんでん)は、「数多の上場企業を震え上がらせた最後の総会屋」だったらしく……。これは、面白い展開になってきた。歪んだ正義を持つ若王子 & 氷室と、真っ直ぐな正義を持っている赤山。しかし、ゆかりが言うように、人間にはさまざまな顔がある。一体、誰を信じればいいのだろう。人物像がコロコロと移り変わっていくスリリングな展開から、目が離せない。

いつか、ヒーロー

桐谷健太が主演を務めるオリジナルドラマ。『コード・ブルー –ドクターヘリ緊急救命-』などの林宏司が脚本を担当。金もなければ仕事もない元児童養護施設職員のアラフィフ男・赤山が、夢を失くしたかつての教え子たちとともに、腐った巨大権力相手に痛快な復讐劇を繰り広げる。

■放送情報
『いつか、ヒーロー』
ABCテレビ・テレビ朝日系にて、毎週日曜22:15〜放送
TVer、ABEMAにて、地上波放送終了後見逃し配信
U-NEXTにて全話配信
出演:桐谷健太、宮世琉弥、長濱ねる、泉澤祐希、曽田陵介、星乃夢奈、でんでん、小関裕太、駒木根葵汰、板谷由夏、北村有起哉
脚本:林宏司
監督:アベラヒデノブ、星野和成、松本喜代美、松浦健志
チーフプロデューサー:南雄大(ABCテレビ)
プロデューサー:小森千裕(ABCテレビ)、比屋根り子(ABCテレビ)、松野千鶴子(アズバーズ)、増田玲介(アズバーズ)
主題歌:「HERO」石崎ひゅーい(EPIC Records Japan)
制作協力:アズバーズ
制作著作:ABCテレビ
©︎ABCテレビ
公式サイト:https://www.asahi.co.jp/itsukahero/
公式X(旧Twitter):@abcdrama_hero
公式Instagram:@abcdrama_hero
公式LINE:@abc_drama

関連記事