“韓ドラの名手”脚本家イム・サンチュンの手腕 『椿の花咲く頃』と『おつかれさま』の共通点
2作品のそれぞれのヒロインであるエスンとドンベクは全く違う性格だが、間違っていることには「間違っている」と言い、嫌なことは「絶対、嫌」とはっきり口にして、不幸の中でも幸せを掴もうとする、逆境を乗り越える力を持っているという共通点がある。そんな2人の生き様からは、困っている時は「助けて」と求めることの大切さも学ぶことができる。
そんな脚本家イム・サンチュンは、パク・ソジュンとキム・ジウォンの共演作『サム、マイウェイ〜恋の一発逆転!〜』を含むと3作連続でヒットドラマを生み出している作家だが、未だどんな人物なのかはベールに包まれている。制作発表会にも授賞式にも出席せず、インタビューも行わず、男性か女性か何歳なのかも公表されていない。冷たさを感じる現代に人間の温かさを描く脚本家は多くなっているが、その中でもイム・サンチュンは、ただひたすらに大勢の人と関わり合って生きていくことを描いている。自身も、きっと人間味あふれる人物であるに違いない。
愛が不足している中、ネガティブな感情ばかりを受け取って、それが蓄積して怪物になってしまうことがある。しかしそんな状況でも怪物にならずに、お互い助け合い、必死に耐えて生きている人が大半だ。人間同士が関わり合うことが、頑張って生きる力になる。人生はすべて「That’s OK」だ。そんなことを教えてくれるイム・サンチュンの人間ドラマ。『おつかれさま』の残りエピソードと今後の新作も楽しみに待ちたいと思う。
■配信情報
『おつかれさま』
Netflixにて独占配信中
出演:IU、パク・ボゴム、ムン・ソリ、パク・ヘジュン
演出:キム・ウォンソク
脚本:イム・サンチュン