『無名の人生』メインキャストに田中偉登、中島歩、毎熊克哉ら 予告編&ビジュアルも

5月に公開される鈴木竜也監督による初の長編アニメーション『無名の人生』の追加キャストとして、田中偉登、宇野祥平、猫背椿、鄭玲美、鎌滝恵利、西野諒太郎(シンクロニシティ)、中島歩、毎熊克哉、大橋未歩、津田寛治の出演が発表された。
本作は、『MAHOROBA』や『無法の愛』などで知られる鈴木監督による初の長編アニメーション作品。制作は監督のみで行われた。仙台に暮らすいじめられっ子の孤独な少年が、父親の背中を追ってアイドルを目指す。生まれてから死ぬまでに蔑称や源氏名などいくつもの呼称で呼ばれた主人公の波乱に満ちた100年の生涯を、高齢ドライバーや芸能界の闇、若年層の不詳の死、戦争などのセンセーショナルな社会問題を背景に全10章で描き切る。脚本をあえて準備せず、章ごとにタッチも色彩も変化する変幻自在なアニメーションとなっている。
新たに発表されたのは、ラッパーのACE COOL演じる主人公を取り巻くメインキャラクターを演じるキャスト陣。田中、宇野、猫背、鄭、鎌滝、西野、中島、毎熊、大橋、津田の10名からはコメントも到着した。
あわせて予告編も公開。主人公が公園の土管の中でうずくまる場面から始まり、学校ではいじめられ、孤立していた主人公がTVのアイドルに釘付けになる様子が映し出されている。主人公がアイドルとしてステージへ上がるも、血まみれのマイクや廃墟や軍隊などの戦争を思わせる場面が不穏な雰囲気を醸し出している。
ポスタービジュアルも公開され、蔑称や源氏名などいくつもの呼称で呼ばれた主人公の波乱に満ちた人生を表すかのように、継ぎはぎの意匠が施されている。

コメント
田中偉登(キン役)
兼光金太郎役を担当しました、田中偉登です。
この作品は鈴木監督が月日をかけ1人で1枚ずつ書き上げた作品と聞き、その情熱と今までのアニメーションとはまた違った新しい世界があるのではという期待の中で製作されていました。そんな中、キンちゃんという主人公にとってもとても大切な役どころを任せていただき、監督たちの情熱をしっかり伝えられるようにと声優初挑戦ながらに一生懸命挑みました! ACEさんの真っ直ぐで静の中に力強さを感じる声を頼りに、画面の中に映るキンちゃんと向き合いました!
観る方によって受け取る想いが無限にあるような作品ですので、何度も何度も見て考えて自分の答えを見つけてみてください。
宇野祥平(ひろし役)
鈴木竜也監督はとても柔らかい印象を受ける人ですが、この『無名の人生』は溜まっていたものが一気に湧き上がってきたような挑戦的で一筋縄ではいかない映画です。
ぜひ劇場で観てもらえたら幸いです。
猫背椿(キンママ役)
作品製作のすべてをほぼおひとりでやり遂げられた監督の偏執狂的とも思える熱意と、終盤に向けてとんでもない場所へと連れ去られる快感!
圧巻のエンドロールが終わったとき、心から「...お疲れさまでしたっ!」と呟いていました...。
仙台(監督のご実家で今作品の製作場所)から飛び出した問題作、劇場で観ることを楽しみにしています♡
鄭玲美(ヒメ役)
色々とうまくいかなかった時期に、すこし不貞腐れながら録ったボイスメモが、こんな大きな作品に参加させてもらえるきっかけになるとは、 、 、
人生わからないものです。
ふとした瞬間に感じる身寄りのない不安や遣りきれない憤りが、親しみのある絵と独創的な展開によって昇華されていき、エンドロールが流れる頃には、誰からも押されたことのない方向から背中を押された感覚でした。
是非、出逢っていただけたら嬉しいです。
鎌滝恵利(ヨーコ役)
私は鈴木竜也さんの作品が大好きでした。
今まで作られたどの作品も、好きで仕方なく、これからもファンであり続けるだろうと思います。
現場は短い時間でしたが声の演出も的確に、丁寧にしてくださり、何より物語や画に滲み出る監督の人間性が、心地よく信頼できました。
人生で「無名の人生」に関われたこと、とても誇りに思います。見た事ない、が詰まったアニメーションでした。
皆さんお楽しみ下さい。
西野諒太郎(シンクロニシティ)(スマイル役)
普段は主に漫才をしているのですが、人生初声優させていただきました。
名前、呼称とそこから巻き起こる人生を描いた、大事なポイントにお邪魔させてもらったと思います。
どんな人生を歩むとこの作品が思いつくのか、どんな人生を歩むと、この作品にどんな感想を抱くのか等々疑問は尽きません
が、是非多くの方にご覧いただきたいです。
中島歩(クズ役)
僕が普段関わっている映画はいろんな人がいろんなこと言いながら作っていますが、今作は鈴木竜也さんが一人で作り上げました。
なんなんだこれは。この人は大丈夫なのか。そんな想いから微力ながら参加させていただきました。
一人で作らなければ成し得ない奇抜な領域に突入しています。
映画館ではきっと一人の人間の頭の中を覗くような体験になるのではないでしょうか。ぜひ劇場にお越しください。
毎熊克哉(ヤマト役)
台本と共にアテレコ前の無音のアニメーションが送られてきました。独特のタッチと世界観で、 この作品はいったい何を伝えようとしているのか...と興味を持ち参加させていただきました。
どこかものかなしく尖った作品になっていて、 インディペンデントでなければ挑めない内容かもしれません。
ぜひ鈴木竜也ワールドをご堪能ください。
大橋未歩(さくら役)
台本を読んだ時、最後のセリフがとても好きだったので、是非出演したいと思いました。
その後鈴木監督は、ご自身にもとても好きな男性アイドルがいたとお話ししてくださり、大切な人への愛に私も触れることが出来ればと。それと同時に「情報」ではなくて「人間の心の傷」を、さくらを通して体に刻みたいと思いました。グロテスクな現実を生きる中で、この作品が、皆様の一縷の光になることを願っています。
津田寛治(白取役)
鈴木監督に「今まで生み出したキャラクターの中で一番嫌いなヤツですが、演じてもらえますか?」というオファーを頂きまして、なんて光栄なんだろうと思いました。
監督のラヴレターに答えられたかは分かりませんが、精いっぱい演じました。極限まで削ぎ落されたポートレートの中で紡がれる、人の間の永い永い時間...。
映画史に名を残すかもしれない、今はまだ無名の物語。ぜひ映画館でご堪能下さい。
■公開情報
『無名の人生』
5月16日(金)より、新宿武蔵野館ほか全国順次公開
声の出演:ACE COOL、田中偉登、宇野祥平、猫背椿、鄭玲美、鎌滝恵利、西野諒太郎(シンクロニシティ)、中島歩、毎熊克哉、大橋未歩、津田寛治
監督・原案・作画監督・美術監督・撮影監督・色彩設計・キャラクターデザイン・音楽・編集:鈴木竜也
プロデューサー:岩井澤健治
配給:ロックンロール・マウンテン
配給協力:インターフィルム
©鈴木竜也
2024年/日本/カラー/93分/2.35:1/5.1ch/DCP
公式サイト:https://mumei-no-jinsei.jp