『恋するムービー』完結後だからこそ気付ける家族愛 ギョム×ジュンの名場面が忘れられない

 最終的に、ジュンは退院することなく病院で息を引き取る。彼が最期にギョムに言った「一緒に旅行しよう」という約束は、永遠に果たされることはなかった。ギョムは兄を救うことができなかった。自分が守るべき存在だった兄が、自分を残して旅立ってしまったのである。第7話最後のシーンでの、ジュンの遺影を見つめるギョムの悲痛な表情が視聴者の心に焼き付く。

 『恋するムービー』は単なるロマンスではなく、人と人との関係性や成長を描いたヒューマンドラマである。特に第7話は、兄弟の絆、喪失、そしてその核心にある「生きること」「愛すること」の意味を問いかける重要なエピソードであり、シリーズを観た人の記憶に長く残る回だ。そして、それこそがこの作品が伝えたかったメッセージの一つなのだろう。人生の中で、誰かを支え、誰かに支えられながら、それでも前に進んでいく。その過程にこそ、人間の本当の美しさが宿るのではないだろうか。

■配信情報
『恋するムービー』
Netflixにて独占配信中
出演:チェ・ウシク、パク・ボヨン、イ・ジュニョン、チョン・ソニ
演出:オ・チュンファン
脚本:イ・ナウン

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