カン・テオの“独壇場”となった『ジャガイモ研究所』 お仕事ドラマとしての物足りなさも

お仕事ドラマとしてはちょっと物足りない?

 『ジャガイモ研究所』というタイトルから、見応えのあるお仕事ドラマを期待した人も多いのではないだろうか。筆者はパク・ミニョン主演『気象庁の人々:社内恋愛は予測不能?!』のように、気象庁職員の仕事を丁寧に描くといったドラマを想像していたため、今のところ話の展開に物足りなさも感じている。

 研究所の所員たちがどんな人物なのか、簡単な紹介はあったものの、彼らの仕事シーンはほとんどない。おふざけシーンばかりで「……で何?」とツッコんでしまうこともしばしばだ。そもそもジャガイモ研究所ではジャガイモを育てていることは分かるものの、どんな使命感で研究員たちは仕事をしているのか分からず、視聴者は置いてきぼりになる。

 特にヒロインのミギョンを演じるイ・ソンビンは、ジャガイモ研究一筋の破天荒キャラという設定だが、今一つ彼女が目指していることが伝わってこない。育てているジャガイモをトラブルや悪天候から必死に守ろうとする姿が描かれているにもかかわらず……だ。

 そしていきなり酔った勢いでベクホにキスしてしまうところも唐突すぎるし、キスを巡ってベクホとのやり取りがくどいぐらい繰り返されるのも食傷気味になる。

 そうしたドタバタシーンはほどほどにして、もともと研究員ではなかったミギョンがなぜジャガイモ研究所に来たのか、ウォンハン・リテールとは因縁があるようなのでどんな過去があったのか、父親が出家しているなど、複雑な家庭環境の説明をしてもらわなければ、今後ヒロインとして視聴者から共感が得られないのでは……と感じた。イ・ソンビンは魅力的な俳優なので、ぜひその魅力を最大限に活かしてほしい。

 今後、ミギョンの元恋人でベクホの上司にあたるキセ(イ・ハクジュ)も加わり三角関係が描かれていくのかもしれないが、恋愛模様と並行して、ジャガイモ研究所らしいちょっとレアなお仕事風景も丁寧に描いてくれたら……と期待したい。

■配信情報

『ジャガイモ研究所』
Netflixにて独占配信中
出演:イ・ソンビン、カン・テオ、イ・ハクジュ
監督:カン・イルス、シム・ジェヒョン
脚本:キム・ホス
(写真はtvN公式サイトより)

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