カン・テオの“独壇場”となった『ジャガイモ研究所』 お仕事ドラマとしての物足りなさも

 韓国ドラマ『ジャガイモ研究所』が、第4話までNetflixで配信された。

 カン・テオの除隊後初作品として注目されている本作は、ソウルから離れた山奥にあるソンニョ食品のジャガイモ研究所を舞台にした農業系ラブコメディだ。研究員として働くキム・ミギョン(イ・ソンビン)は、ジャガイモ研究に心血を注いでいる。

 ある日突然、ソンニョ食品が大手企業ウォンハン・リテールにM&Aされることになった。ジャガイモ研究所でも早速人員整理で所長がクビになり、臨時所長としてウォンハン・リテールの戦略企画室に務めるソ・ベクホ理事(カン・テオ)が着任。

 現実主義者で何事もデータで分析し、相手を論破するベクホは、着任早々ミギョンら研究所の所員らと対立する。

※以下、第4話までのネタバレあり

カン・テオは2枚目? 3枚目?

 カン・テオが帰ってきた。除隊する日を指折り数えて待っていたファンにとって、本作の配信を待ち望んでいた人は多いだろう。

 今回彼が演じるソ・ベクホは、仕事ができるエリート社員として颯爽と登場する。ウォンハン・リテールが進めていたソンニョ食品のM&Aを横取りしようとしている悪徳企業に乗り込み、得意のデータ分析を披露して一泡吹かせる。

 さらにベクホがリストラした元社員が、暴れて会社に乗り込んできたところを「私を殺したら21億円の賠償金を支払わなければなりませんよ。そこまで考えていますか?」「あなたをリストラした原因は、旧態依然の態度そのもの」と理路整然と諭し、相手を屈服させた。

 このシーンを観て、「今回のカン・テオは、クールな2枚目路線で決まり!」……と思いきや、第1話の後半で、ジャガイモ研究所の臨時所長に着任した直後、鳥に襲われ畑を転がり落ちていく様を体当たりで演じた。衝撃的なカメラワークでとらえたカン・テオの表情に、笑いをこらえきれなかったファンも多かったことだろう。

 これだけにとどまらず「そこまでやってくれるのか!」と驚く3枚目ぶりも発揮し、確実に爪痕を残している。例えば、住民からの嫌がらせを受けたベクホは、車で通行ができないため通勤ができず、やむを得ずミギョンの車に乗ることになる。しかしミギョンに乗せられたのは荷台で、乱暴な運転でビシッとスーツで決めたベクホは、ほこりだらけでボロボロになる。畑を転がり落ちていくベクホ再び……といったところだ。

 そうかと思えば、ジャガイモ研究所が主催する料理コンテストにベクホが急遽参加することになり、鮮やか(?)な包丁さばきを見せて周囲を圧倒。ここまでくるともはや「カン・テオ劇場」開幕といったところだ。

 もちろん笑いだけでなく、カン・テオのカッコよさをアピールする、キラキラオーラ全開のサービスショットも忘れてはいない。第4話のラストは、大雨の中ビニールハウスを立て直そうとしているミギョンを助けようとする姿にキュンとくる。

 『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』から約3年。ドラマを視聴して「思っていた雰囲気と違う!」と感じる方もいらっしゃるだろうが、これまであまり観たことがないカン・テオの魅力が存分に楽しめる作品であることは間違いない。

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