『ホットスポット』が『ハルヒ』っぽいのは必然だった? バカリズムに潜む日常系の作家性
SF的な非日常よりも学園生活を中心とした日常に重点を置く『ハルヒ』の作風は、アニメ版ではより強まっていた。アニメ版『ハルヒ』を制作した京都アニメーションは『らき☆すた』、『けいおん!』といった深夜アニメを次々と制作し「京アニ作品はクオリティが高い」というブランドメージを確立した。その一方で、『ハルヒ』以降の作品はSF的な非日常の要素が薄まり「日常」の豊かさを描く方向で洗練されていった。
そのため、京アニ作品の多くは空気系、日常系といった言葉で形容されていたのだが、日常系が盛り上がった時代は、深夜アニメを中心とするオタクコンテンツにおいては一昔前の懐かしい風景となっている。
だからこそテレビドラマの『ホットスポット』が、かつて『ハルヒ』が描いた「SF+日常」の世界を、2025年に展開していることにとても驚いている。
バカリズムが「SF+日常」の物語を得意としているため、『ハルヒ』とたまたまシンクロしただけで、深い意図はないのかもしれない。
だが、日常に重点を置きながらも非日常の存在を許容する『ホットスポット』の世界に、かつて日常系アニメに感じた幸福感があることは確かである。
『ブラッシュアップライフ』チームと脚本・バカリズム再びタッグを組むオリジナルドラマ。ビジネスホテルに勤めるシングルマザーの主人公・遠藤清美が、ある日、ひょんなことで宇宙人に出会ったことから物語が展開していく。
■放送情報
『ホットスポット』
日本テレビ系にて、毎週日曜22:30~放送
出演:市川実日子、角田晃広(東京03)、鈴木杏、平岩紙、田中直樹、夏帆、池松壮亮、前田旺志郎、小日向文世、白石隼也、木南晴夏、菊地凛子
脚本:バカリズム
演出:水野格、山田信義、松田健斗
プロデューサー:小田玲奈、小田井雄介、櫻井雄一、野田健太
チーフプロデューサー:道坂忠久
音楽:fox capture plan
企画協力:マセキ芸能社
制作協力:ソケット
©日本テレビ
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