『御上先生』から“新しい日曜劇場”へ 『半沢直樹』『VIVANT』ら歴代作品からの変化を読む

 とはいえ、近年はそのパターンも飽きられはじめており、ここ数年は多様なドラマづくりが行われるようになっている。『テセウスの船』、『マイファミリー』のような考察ミステリーもの、『下剋上球児』のようなスポーツもの、『日本沈没-希望のひと-』、『VIVANT』のようなスケールの大きなもの、『海に眠るダイヤモンド』のような近現代史ものなど、意欲的なドラマづくりが行われてきた。

野木亜紀子が『海に眠るダイヤモンド』に懸けた思い 「面白いと思うドラマを作り続ける」

文化遺産の「軍艦島」から、愛しい人々が暮らした「端島」へ。その印象を大きく変えてくれた日曜劇場『海に眠るダイヤモンド』(TBS系…

 『御上先生』は、これまで「日曜劇場」で放送されてきた作品の中でも、とりわけ現代社会の歪みに目を向けた作品だといえる。ドラマは時代を映すものであり、昨今の社会の激変ぶりとそれに伴う諸問題を考えれば、社会に目を向けた作品が生まれるのは必然だろう。しかも、特定の主張を押し付けるものでもなく、生徒とともに視聴者に対して「考えて」と促す作品になっているのも現代的だと感じる。

 どんな種類のドラマがあってもいいが、社会の反映という視点は今後のドラマづくりにより欠かせないものになってくるはず。4月期は阿部寛が主演を務める『キャスター』が待機しているが、『御上先生』が一つの新しい潮流の起点になるのではないか。そんな気がしてならない。

日曜劇場『御上先生』

「日本の教育を変えてやろう」という熱意を持ったエリート文科省官僚が高校教師となり、令和の18歳とともに、日本教育にはびこる権力争いや思惑へ立ち向かうオリジナル学園ドラマ。

■放送情報
日曜劇場『御上先生』
TBS系にて、毎週日曜21:00~21:54放送
出演:松坂桃李、奥平大兼、蒔田彩珠、窪塚愛流、吉柳咲良、豊田裕大、上坂樹里、髙石あかり、八村倫太郎、山下幸輝、夏生大湖、影山優佳、永瀬莉子、森愁斗、安斉星来、矢吹奈子、今井柊斗、真弓孟之、西本まりん、花岡すみれ、野内まる、山田健人、渡辺色、青山凌大、藤本一輝、唐木俊輔、大塚萌香、鈴川紗由、芹澤雛梨、白倉碧空、吉岡里帆、迫田孝也、臼田あさ美、櫻井海音、林泰文、及川光博、常盤貴子、北村一輝
脚本:詩森ろば
脚本協力:畠山隼一、岡田真理
演出:宮崎陽平、嶋田広野、小牧桜
プロデュース :飯田和孝、中西真央、中澤美波
教育監修:西岡壱誠
学校教育監修:工藤勇一
製作著作:TBS
©︎TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/mikami_sensei_tbs/

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