『海に眠るダイヤモンド』進平は『アンナチュラル』中堂に近い? 斎藤工が役作りを語る

『海に眠る』進平は中堂系に似てる?

 TBS日曜劇場『海に眠るダイヤモンド』に出演中の斎藤工のインタビューコメントが公開された。

 本作は、昭和の高度経済成長期と現代を結ぶ、70年にわたる愛と青春と友情、そして家族の壮大な物語。1955年からの石炭産業で躍進した長崎県・端島と、現代の東京が舞台となる。

 一人二役で主演を務めるのは、民放連続ドラマ主演は2011年放送の『11人もいる!』(テレビ朝日系)以来13年ぶりとなる神木隆之介。脚本に野木亜紀子、監督に塚原あゆ子、プロデューサーに新井順子と、『アンナチュラル』(TBS系)、『MIU404』(TBS系)、映画『ラストマイル』を生み出してきたチームが再集結した。

 斎藤が演じるのは、主人公・鉄平(神木隆之介)の兄・進平。第6話では、リナ(池田エライザ)との間に息子・誠が生まれ、幸せを噛みしめる姿が描かれた。

 斎藤はここまでの反響について、「『日本から世界へ発信するドラマを作る』という思いが届いているのではないかなと」と大いに手応えを感じている様子。作品の魅力については、「戦争や被爆体験を単なる歴史としてではなく、それに寄り添いながら生きる人々の物語として描かれる脚本が本当に素晴らしい。完成した映像を見ることで、改めてその繊細な描写に気づくこともありました」と振り返った。

 子どもも誕生したリナと進平の関係については、「2人の関係性は役者同士の間合いだけではなく、客観的に切り取ってもらうことでさらに解像度が高くなる。僕自身も放送を見て『こういう距離で正解だったんだな』と答え合わせをしている感覚があります」とコメント。

 監督陣以上に会話をしているという新井プロデューサーについては、「いつも雑談ばかりでキュンポイントは言われたことはないですね(笑)。ただ新井さんを含めた制作陣の作品はこれまでも見てきたので、進平というキャラクターの方向性は感じ取っていて。ポジションで言うと『アンナチュラル』(2018年)の井浦新さんが演じる中堂系が近いのかもしれません。意識をしているわけではないのですが、進平もボサボサ髪なので(笑)。僕もキュンポイントのヒントがほしかったなぁ。塚原監督には、初回の撮影のときに『これで行こう!かわいい!』とビジュアルを褒めてもらい、その言葉で役の方向性が固まった感覚もありました」と重要なエピソードを明かした。

斎藤工(進平役)コメント

これまでの反響について

テレビドラマ、そして日曜劇場の浸透力を改めて感じています。国内だけではなく、海外からも反響をいただいていて、本作の「日本から世界へ発信するドラマを作る」という思いが届いているのではないかなと。主演の神木さんや、脚本・野木亜紀子さんや塚原あゆ子監督の作品に注目している海外ファンの皆さんのコメントも見る機会があり、世界中の作品を楽しめるとてもいい時代になったなと思います。

作品の魅力

これまでのエピソードで進平が実は次男であることや、高度成長期に多くを失いながらも力強く生きる人々の姿が丁寧に描かれ、本作の真髄が視聴者の皆さんにも伝わったのではないでしょうか。戦争や被爆体験を単なる歴史としてではなく、それに寄り添いながら生きる人々の物語として描かれる脚本が本当に素晴らしい。完成した映像を見ることで、改めてその繊細な描写に気づくこともありました。

実際に映像を見て芝居が変わったことは?

放送を通して、それぞれのキャラクターの背景が描かれることで、彼らが背負ってきたものを理解したうえで演じることができるようになりました。端島という場所では、近くにいて顔馴染みであるということが、もう一段階深いつながりになります。だからこそ、設定上では知らない相手のことも意識して演じることで、すれ違うシーンを1つとってもより相手を思う気持ちが表現できるようになりました。

撮影と放送が並行しているからこそできること

映画と違い、連続ドラマでは視聴者の反響や放送を見て感じたことを持って撮影に戻ることができるのが大きい。スタッフ・キャスト全員が反響の喜びをエネルギーに変え、さらに撮影に注力できる循環があるため、1人で役を作り上げたというよりもみんなで一緒に作り上げたという実感があります。すごく頼もしい現場で、撮影が進むほど恵まれた環境への感謝が大きくなっています。

撮影現場について

とにかく撮影現場全体を大切にしてくれる、本当に理想的な制作環境です。炭鉱シーンの撮影場所である鉱山では、電波が届かずトランシーバーも使えませんでしたが、塚原監督がどんな些細なことでも遠くからダッシュで駆けつけてくださって、こちらの不安を解消してくれました。現場を作り上げる皆さんの努力や配慮には、いつも感謝の思いが尽きません。

リナと進平の関係について

脚本の段階で鮮やかに描かれていたリナと進平の絶妙な距離感を、監督陣が映像でさらに立体的に仕上げてくれています。2人の関係性は役者同士の間合いだけではなく、客観的に切り取ってもらうことでさらに解像度が高くなる。僕自身も放送を見て「こういう距離で正解だったんだな」と答え合わせをしている感覚があります。2人の恋模様は鉄平と朝子、百合子と賢将とは異なる湿度がありますし、それが独特の魅力を生んでいるのだろうなと。

大人ならではの恋愛

そうですね。進平とリナは恋愛関係である以前に、お互いに愛する人を失ったという共通の悲しみを抱えることで深く共鳴し合っています。だから、ほかのキャラクターたちの恋愛に比べてビターな雰囲気が漂っているのではないでしょうか。

池田エライザとの共演について

撮影現場で池田さんと塚原監督がよく話している姿を目にしました。池田さんご自身も「リナという役は、野木さんから私への挑戦状だと思う」と口にされていて、それほど真剣にシーンごとに魂を注いでいらっしゃっていることが伝わってきました。個人的には、セリフのないやり取りがなく、2人で海を見つめているような、目線や表情で感情を表現するシーンが印象に残っています。

新井順子プロデューサーからのリクエスト

新井プロデューサーとは監督陣以上に会話をしているのですが、いつも雑談ばかりでキュンポイントは言われたことはないですね(笑)。ただ新井さんを含めた制作陣の作品はこれまでも見てきたので、進平というキャラクターの方向性は感じ取っていて。ポジションで言うと『アンナチュラル』(2018年)の井浦新さんが演じる中堂系が近いのかもしれません。意識をしているわけではないのですが、進平もボサボサ髪なので(笑)。僕もキュンポイントのヒントがほしかったなぁ。塚原監督には、初回の撮影のときに「これで行こう!かわいい!」とビジュアルを褒めてもらい、その言葉で役の方向性が固まった感覚もありました。

他のキャラクターにキュンとしたポイント

第4話で百合子にネックレスを渡してあげる賢将がめちゃくちゃ刺さりました。ああいった優しい寄り添い方は素敵ですよね。鉄平や賢将みたいに、明るくてわかりやすいA面があるキャラクターのほうが、B面のコントラストが強くて突き刺さる。役柄の本質が見えたときにキュンとするんだと思います。

テンションが上がった設定は?

第4話で出てきた精霊流しが、和尚を演じるさだまさしさんの「精霊流し」という曲を連想させたり、「キネカ大森」(東京・大森にある、街に唯一残った映画館)でチケットもぎりとして働く片桐はいりさんが、大森という役名で出演していたり。そういった細かい設定にも意味が込められていて、無意味なものが1つもないことに驚きました。こうした要素があるからこそ、視聴者の心にも深く響く作品になっているのだと思います。

■放送情報
日曜劇場『海に眠るダイヤモンド』
TBS系にて、毎週日曜21:00〜21:54放送
出演:神木隆之介、斎藤工、杉咲花、池田エライザ、清水尋也、中嶋朋子、山本未來、さだまさし、國村隼、土屋太鳳、沢村一樹、宮本信子、尾美としのり、美保純、酒向芳、宮崎吐夢、内藤秀一郎、西垣匠、豆原一成(JO1)、片岡凜
脚本:野木亜紀子
演出:塚原あゆ子、福田亮介、林啓史、府川亮介
プロデュース :新井順子、松本明子
スーパーバイザー:那須田淳、岡崎吉弘
音楽:佐藤直紀
編成:中井芳彦、後藤大希
製作:TBSスパークル、TBS
制作協力:NBC長崎放送
©TBSスパークル/TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/umininemuru_diamond_tbs/
公式X(旧Twitter):@umininemuru_tbs
公式Instagram:umininemuru_tbs
公式TikTok:@umininemuru_tbs

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