菜々緒、“有能オーラ”を自在に出し入れ!? 「人生のエッセンスになった」運命の役との出会い

菜々緒、『無能の鷹』鷹野役との出会い語る

貴島彩理プロデューサー率いる愛に溢れたチームの魅力

ーー作中でコンビとして奮闘する鶸田役・塩野瑛久さんの印象についてはいかがですか?

菜々緒:塩野さんはすごく真面目で、穏やかな部分も持ち合わせている方なので、助けられた部分がたくさんありました。原作がある作品なので、お互いにある程度テンポ感やニュアンスを掴めていたというのもあるんですが、本当に塩野さんとは初共演とは思えないほど、初めから息が合ったので何も心配がいらなかったんです。あとはSNSを見ていると、『光る君へ』(NHK総合)で一条天皇を演じている塩野さんと今回の役が結びついていない方がすごく多くて、2〜3話観てようやく同一人物だということに気づいた方もいらっしゃったみたいなんです。私もきっと一視聴者だったら気づかないと思いますし、塩野さん自身、「毎回役の印象が違うから、なかなか顔を覚えてもらえないんです」とおっしゃっていたんですが、それって役者冥利に尽きるといいますか、本当に素晴らしい役者さんとご一緒させていただいているんだなと改めて実感しました。またいつか全く違う役で共演できたら、きっと面白いだろうなと思います。

ーー鷹野と鶸田の関係性については、どのような気持ちで見ていらっしゃいますか?

菜々緒:最初は鶸田くんも鷹野のことを珍獣を見るような感じだったと思うんですが、そんな鶸田くんが回を追うごとに「また何か言ってるよ」って少し冷ややかな目で鷹野を見守るようになっているのが、私はすごく好きで。呆れつつも、なんだかんだ上手くいってミラクルを起こすんだろうなというような、ある種の信頼を鷹野に少しずつ置いてくれているような気がしています。だから、この2人っていうのは恋愛とはまた違ったもっと深いところで繋がっている、ソウルメイトのような関係性に近いんじゃないかなと思います。

ーー菜々緒さんは昨年放送の『忍者に結婚は難しい』(フジテレビ系)から主演ドラマが続いていますが、作品の真ん中に立つ難しさ、逆にやりがいに感じてる部分はどこにありますか?

菜々緒:主演をさせていただくにあたっては、いつもバランサーとしての役割を意識しています。例えば、お芝居に集中するためにも撮影前はあまりお話しされたくない方や、逆に皆さんと和やかにお話して、緊張感をほぐしてから撮影に臨みたい方など、現場でどのように過ごしたいかは個人個人で違うと思いますので、そこは意識しながらコミュニケーションを図っていますし、一番気を使っているところかなと思います。ただ今回にしても、私は現場に恵まれていて、いつも他の皆さんが率先して一緒に現場を作ってくださっているので、今まで一度も困ったことがないんです。それは本当に幸運なことだと思っています。

ーー貴島プロデューサーが手がける作品は、キャストとスタッフのチーム力が抜群で、それが作品にも現れているところが魅力だと思っています。今回も現場の楽しそうな空気が伝わってくるのですが、改めて菜々緒さんが感じたこのチームの魅力を教えてください。

菜々緒:現場でも「良い人オーディションがあったんじゃないか」という声が上がるくらい、本当に人柄が素晴らしい方ばかりで。なんだかんだ言いながらも、ちゃんと鷹野の居場所を作ってみんなで見守るキャラクターの温かさと、キャストの皆さんが持つ優しさや愛情深さがすごく通じていて、そういうところも貴島さんは汲み取ってキャスティングされたんじゃないかなと思いました。私も撮影に入る前は主演としてどうやってみんなをまとめ上げていこうかなって考えていたんですが、そんな考えは無駄だったと思えるくらいに、井浦さんが率先して「この後、みんなでご飯食べにいこうよ」と誘ってくださったり、お一人おひとりがいつも笑顔で現場の雰囲気を良くしようとしてくださったり、周りの方々に助けていただきました。私自身が皆さんから学ばせていただいたことがたくさんあります。高橋克実さんも「こんな現場は初めてだった」とすごく喜んでくださっていましたが、私も撮影の数カ月間は心から幸せな時間でした。

ーー先日、菜々緒さんが涙とともにクランクアップを迎えられた理由がよくわかりました。そこから少し日にちが経ち、本作はもうすぐ最終回を迎えますが、現在の心境としてはいかがですか?

菜々緒:私自身も今までにない役に挑戦しさせていただけてすごく新鮮でしたし、現場で「次はイケメン2人に取り合われるヒロインをやりたいです」ってフザケて言っていたんですが、「そういう役もきそうだよ」って言ってもらえるくらい、役者としての幅も広げてくれた作品だなと思っていています。

ーー最後まで鷹野らしさ全開だと思いますが、最終回ではどういうところに注目してもらいたいですか?

菜々緒:最終回もはじめから鷹野ワールド全開で、急展開の連続です(笑)。ただ、これまでも鷹野がありのままの自分で、何も疑わず、相手の言葉をまっすぐに受け取って行動していくことによって勝手に道が開けていくという物語が繰り返し描かれてきて、コメディだけど、毎回視聴者の皆さんに深いメッセージを届けられていたのではないかと思っています。もちろん、鷹野が無能すぎて、そこに救われているという方もいらっしゃると思うんですが、例えば、人と比べずに自分のペースで何事もこなしていくことだったり、色んなことに怖がらず楽しみながら挑戦することだったり、彼女は基本的な人間のあり方を示してくれているような気がしていて。そこからヒントや気づきを得られる部分がたくさんあると思うので、最終回も鷹野の言動一つひとつに注目していただければと思います。

■放送情報
『無能の鷹』
テレビ朝日系にて、毎週金曜23:15〜0:15放送
出演:菜々緒、塩野瑛久、井浦新、工藤阿須加、さとうほなみ、高橋克実ほか
原作:はんざき朝未『無能の鷹』(講談社「Kiss」連載)
脚本:根本ノンジ
音楽:鈴木真人
演出:村尾嘉昭、棚澤孝義、高橋由妃
エグゼクティブプロデューサー:内山聖子(テレビ朝日)
プロデューサー:貴島彩理 (テレビ朝日)、本郷達也(MMJ)
制作著作:テレビ朝日、MMJ
©︎テレビ朝日
公式サイト:https://www.tv-asahi.co.jp/muno_no_taka/
公式X(Twitter):https://twitter.com/muno_no_taka_ex
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