『チ。』『宇宙兄弟』『彼方のアストラ』 “宇宙”をテーマにした名作アニメといえば?
人間はいつの時代もまだ見ぬ世界にロマンを求めるもの。とくに創作の世界では、“宇宙”というテーマが圧倒的な人気を博してきた。今回はそんな宇宙を題材としたアニメの名作をいくつかピックアップして、振り返っていきたい。
宇宙を見上げるのが楽しくなる『チ。―地球の運動について―』
10月から放送されている秋アニメ『チ。―地球の運動について―』は、15世紀のヨーロッパを舞台とした作品だ。言い換えると、人類が宇宙に進出するはるか昔の世界が描かれているのだが、それにもかかわらず“宇宙の美しさ”を表現することに成功している。
同作に登場する主人公たちは、誰もが頭上に広がる天体への憧れと知的好奇心を抱いている。しかしそこで立ちはだかるのが、教会による異端思想の弾圧。この場合は「地動説」が異端に該当し、公に研究しようものなら拷問を受けたり処刑されたりすることになる。
そんな状況にあって、1人目の主人公・ラファウをはじめとする人々は天体の研究を諦めようとはしない。胸を打つのは、「地動説」を確信する人の目から見た宇宙がとても美しく、崇高なものとして描かれていることだ。グロテスクな描写も多いものの、同作を観て心を動かされた後には、現実に夜空を見上げることが少しだけ楽しくなるはずだ。
数々の名言に勇気づけられる『宇宙兄弟』
『宇宙兄弟』は小山宙哉が『モーニング』で連載している同名マンガが原作で、TVアニメシリーズは2012年から2014年にかけて放送。また、2014年には前日譚を描いた劇場アニメ『宇宙兄弟#0』も公開された。
主人公の南波六太(ムッタ)は子ども時代にUFOを見たことをきっかけに、宇宙飛行士になることを夢見ていた。しかしその夢を叶えたのは弟の日々人(ヒビト)の方だった上、会社の上司に頭突きをしたことで31歳にして無職となってしまう。そんな逆境から這い上がるように宇宙飛行士を目指していく……というのが、物語の出発点だ。
作中では、宇宙への憧れを力に変えて突き進んでいくムッタたちの姿が描かれていく。さまざまな名言のオンパレードとなっているのも、大きな見どころだ。
ちなみにムッタが宇宙飛行士にチャレンジし始めるのは、作中の年代設定で2025年のこと。ちょうどフィクションに現実が追いつくタイミングなので、観始めるには絶好のタイミングではないだろうか。