『嘘解きレトリック』で新展開の一端を担う 黒羽麻璃央がミュージカルで培った“技”とは
放送中の月9ドラマ『嘘解きレトリック』(フジテレビ系)の最新話に、黒羽麻璃央がゲストとして登場するのだという。本作は若手俳優の中心的な存在である鈴鹿央士と松本穂香のダブル主演作。そんなふたりよりも年齢的にもキャリア的にも先輩である黒羽は、本作に何をもたらしてくれるのだろうか。
この『嘘解きレトリック』とは、“やたら鋭い観察眼を持つ借金まみれの貧乏探偵”の祝左右馬(鈴鹿央士)と、“ウソを聞き分ける奇妙な能力者”である浦部鹿乃子(松本穂香)の異色コンビが、さまざまな難事件を解決していくミステリー作品だ。物語の舞台は昭和初期の九十九夜町。自身の能力が原因で人々から疎まれてきた鹿乃子は故郷を出て、空腹で行き倒れていたところを左右馬に助けられた。それ以来、ふたりは探偵と助手の関係である。
心優しいふたりは、左右馬の学生時代からの友人である端崎馨(味方良介)や、左右馬たちの食事の面倒をみてくれている倉田達造(大倉孝二)、探偵に憧れる天真爛漫な性格の藤島千代(片山友希)、カフェー「ローズ」の謎多き女給の“リリー”こと久我山小百合(村川絵梨)といった面々に囲まれている。本作はミステリー作品であるいっぽう、にぎやかでハートウォーミングな作品でもあると思う。
そのような作品にゲストとして登場する黒羽が演じるのは、絵描きの桐野貫二という人物だ。「ローズ」の常連客である彼は、ある日、リリーと映画を観る約束をしていた。しかし、映画館に向かう途上で殺人事件があり、いつもの道が封鎖されていたため、仕方なく「幽霊屋敷」と噂されている屋敷の前を通ることに。やがて屋敷の前に差しかかったところ、強風によって手にしていた絵が吹き飛ばされてしまう。そして、貫二は目にしてしまうのである。誰もいないはずの屋敷で、首を吊った女性の幽霊を……。
“ハートウォーミングな作品”などと先述したが、この展開はなかなかに怖そうである。舞台が昭和初期だということもあり、本作特有のホラーテイストが生まれるのではないだろうか。そしてそんな新展開の一端を担うのが、俳優・黒羽麻璃央だというわけだ。
『嘘解きレトリック』は早くもこれが第7話目である。先に名を挙げた愉快な俳優/キャラクターたちによって作品の世界観は丁寧に築き上げられ、回を重ねるごとにその強度は増してきた。各エピソードごとにゲストが登場してきたわけだが、当然ながら回を重ねるごとにゲスト俳優にとってのハードルは上がる。すでに確立された世界観に寄り添うのか、あるいは(いい意味で)暴れるのか。黒羽の場合はどうなのだろうか。温水洋一と坂東希とともに出演することから、ますます読めない。