舞台『けものフレンズ』はジャパリパークに遊びに行く感覚! “化学変化”満載のゲネプロレポ

 『けものフレンズ』プロジェクト10周年を冠した『舞台「けものフレンズ」JAPARI STAGE!~きみのあしおとがまたきこえた~』が、11月8日より品川プリンスホテル クラブeXで上演を開始した。

 『けものフレンズ』は、超巨大総合動物園「ジャパリパーク」を舞台に、動物からヒトの姿へと変身したフレンズたちが大冒険を繰り広げる物語。ゲーム、コミック、TVアニメ、舞台、動物園コラボを展開するなど、さまざまなプロジェクトが進行中で、今回はプロジェクトの10周年を記念した企画の一環として上演される新作舞台となる。脚本・演出を村上大樹が手がけ、コモドドラゴン役の織田奈那、サーバル役の尾崎由香ら、総勢17名が名を連ねた。なお、タヌキ役の加藤里保菜は体調不良により8日の公演が見送りとなり、代役として三好眞瑚が出演している。本記事では、初回公演前に関係者向けに行われたゲネプロ公演をレポートする。

 公演の構成は、約2時間の1幕本編、休憩を挟んでからの20分ほどのライブステージの2幕となる。4年ぶりの公演となった昨年は、第3弾公演『舞台けものフレンズ『JAPARI STAGE!』~おおきなみみとちいさなきせき~』のリニューアル上演という形であったが、今回は完全新作ということで、特に1幕後半からは写真掲載もNGな驚きの展開が続いていく。特徴的なのは、おなじみのフレンズから、新しいフレンズまで個性豊かなフレンズが勢揃いしていること。

 前回から続投となるハシブトガラス役の雛形羽衣は、開幕直前挨拶として開かれた会見にて、「黒いですけど、彩りを添えられるように頑張りたいと思います」とコメントしていたが、多くのキャスト陣がその役になりきるだけでなく、愛着を持って演じていることが、ステージの上での一挙手一投足から伝わってきた。安藤千伽奈が演じるイエネコが筆者の目の前に来た時、いわゆる待ちの時間でも安藤はイエネコとして手で顔をこする仕草をしており、それを目の当たりにして本当にジャパリパークに遊びに来たかのような感覚になった。

 また、ある種、舞台の醍醐味と言ってもいい、アドリブもゲネプロから大いに炸裂していた。クロヒョウ役の稲村梓による、休演となった加藤里保菜への愛あるイジリも印象深かったが、初回公演での緊張を紛らわすために焼酎を引っ掛けてきたと驚きのエピソードを冗談混じり(?)にインサートする稲村に、イエネコ役として先ほどまでかわいらしい声だったのが豹変してドスの利いた声で威嚇する安藤の芝居には、ゲネプロという通常回よりも重い空気が笑いで和んでいた。

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